コミュニケーションはゼロをプラスにするための土台
社内コミュニケーションを活発にするための制度だけでも優に20を超える。一番新しいところでは「ほめシート」。全社員がひと月に2枚、他の社員に対して感謝していること、すごいと思うことを書いて社内の壁に張る。「ふだん仕事ではかかわりのない人がこんなところまで見てくれているんだと驚いた」と社員の山川朝美氏。
同社の取り組みがユニークなのは、縦軸に「フォーマル/インフォーマル」、横軸に「ビジネス/パーソナル」の条件を設け、取り組みを4つの枠上に分類している点だ。「インフォーマルでパーソナルな場である飲み会では自由に出てくるような意見が、フォーマルでビジネスのところにくる社内会議では出てこない。これではもったいない」と平井氏。そのギャップを埋めるのが、フォーマル/パーソナル、ビジネス/インフォーマルの枠に位置付ける取り組みだ。前者では、4人の社員を無作為で選び一緒にお昼ごはんを食べてもらう「ランチでデート」、後者では、その時々のメンバーで自由にテーマを設け議論してもらい、討議内容は全社員で共有する「井戸端会議」がある。
平井氏はこれらのコミュニケーション施策について「マイナスをゼロにするための制度」と言う。「事業戦略を考えなければいけない時に、全社員が情報を共有し本音で意見を出し合える雰囲気がまずなければならない。そこがゼロ地点。その土台があってこそ本質的で活発な議論ができ事業面でプラスが生まれる」。メールマーケティングサービス事業で先頭を走り続けられる要因は、この瞬発的な“点火力”にあるのだ。
▲社内の壁に貼られた「ほめシート」。常に見られていると実感することで日々のルーチンワークに緊張感をもたらす効果も。
▲社内コミュニケーションを活性化させるための施策の数は20を超える。
株式会社コンビーズ
代表取締役
平井 武 氏
設立/2002年
資本金/9,600万円 従業員数/21名
事業内容/メールを活用して販促につなげるメールマーケティングサービス「コンビーズメール」「コンビーズメールプラス」を展開。業界最大級の約16200社の顧客数を持つ。2012年11月には新サービス「ナチュラルメール」を開始した。