物流「2024年問題」を解決するアルミ製折りたたみボックス
設立から25年。エーディエフ(Aluminum Design Factory)は、アルミの特性を活かしたデザインと発想力で、オーダーメイド製品を開発してきた。さまざまな業界の困りごとを解決する、世の中になかったものを提案することが得意なメーカーである。
日本全国にて施工する「簡易クリーンルーム」、多雪地域で活躍する「軒先融雪器」、根強い人気の「ペットゲージ」、東京2020オリンピック・パラリンピックに採用された「同時通訳ブース」など、ユニークかつ多岐にわたるラインナップも特長だ。
「お客さまの困りごと一つ一つに耳を傾け、ニーズを形にする行動力で課題を突破する。そんなあくなき挑戦が新商品開発につながっています」と話す代表取締役の島本氏。なかでも「ダンカーゴ」は、物流の「2024年問題」に寄与すると注目される旬の製品。輸送に使用する樹脂製パレットに置くだけで簡単に組み立てられる物流・保管ボックスは各種メディアで取り上げられ、ロジスティックス全国大会で特別賞を受賞した。
このアルミフレーム製折りたたみ物流ボックスが誕生したのは、遡ること18年前。「展示会で当社のことを知ったあるメーカーさんからの相談がはじまり。試行錯誤して完成した自信作が、また日の目を見ることになりました」。
「ダンカーゴ」は、アルミフレームとプラスチック中空パネルを採用しているため軽くて丈夫。さらに、静止耐荷重4トンの強度があるため、2段積みすることで輸送スペースが最大限に活用でき輸送費の削減になる。保管の用途では、重ねることでスペースの有効活用ができるだけでなく、扉付き製品は材料を区分して保管したい食品業界、鍵付き製品は高額な医薬品を保管したい医療業界で利用されるなど、カスタマイズすることでさまざまな用途での利用が可能だ。
お客さまの「あったらいいな」を形にし、世界をあっと驚かせる製品を生み出すメーカーであるために、独創性が育まれる職場づくりにも力を入れる島本氏。10代から80代まで多様な世代が働く環境で、できるだけ各社員の要望や能力が活かせるようにと考えているが、近年ではうれしいことに「ADFでやりたいことがある」と入社する社員が増えてきた。「世代によってやりたいことが変わるのは自然なことで、社員のやりがいの変化に会社側が歩み寄ることも必要。人生を振り返ったときに、いろんな挑戦ができた場所だったと社員に言ってもらえる『結果的終身雇用』が理想ですね」。
熱い想いをぶつけあい、挑戦するものづくりで進化するメーカーとしての技術力に磨きをさらにかけていく。
(取材・文/花谷知子)