ものづくり

「困り事解決力」が、豊富な知見やノウハウの源泉

2022.05.25

「プラントの悩みなら、何でも相談に乗ります。お任せください!」と、言い切るのはケイ・エイチ工業株式会社を率いる平野氏。温和な笑顔の中に、揺るぎない自信が垣間見える。同社は、どんなに難解な課題にも挑み、豊富な知見とノウハウで解決に導いてきた実績を持つ。

まずは、徹底して顧客の悩み事をヒアリングし、課題を抽出。的確な打ち手を専門家たちと共に立案し、要望を叶える。「当初は、プラントの保守事業からスタートしました。今では設計・施工・メンテナンスに到るまで幅広い業務を、一気通貫で対応。創業以来、“下請けはしない”をポリシーに、エンドユーザーと直接向き合ってきました」。

エキスパートかつ、多岐にわたる技能を持つ職人。

近年、増加している相談事が、図面のない設備の修繕。「使い慣れている機械を使い続けたいが、修繕やメンテナンスをしようにも、古かったり、改造を重ね過ぎていて“どうしたら良いかわからない”という相談が多いですね」。具体的には、一度、機械を分解し、問題箇所や構造を把握することからスタートすると言う。「海外のリスク対策手法“HAZOP”に対応したP&ID(配管計装図)等といった図面をイチから引き直しますので“設計図が無い状態”から、設計~現状のプラントの図面化に至るまでを請け負うことが可能です。この領域を、コストもしっかり抑制して対応できる競合というは、ほぼいないのではないでしょうか?」と、自社の強みを語る平野氏。

他にも、化学プラントの製造過程で発生する高温ガス臭気を熱交換で冷却し、活性炭で無害化したり、医薬品プラントから出る毒性の粉を除塵するなど、同社の持つ事例には枚挙にいとまがない。

プロデュース力で、課題の把握と解決へ。

最近では、IoTを用いて故障や異常などを遠隔監視できる『K・H見まもり君』をリリース。その仕組みを活かして、新しいエネルギー源として需要が高まるバイオマスプラントの火災予防システムも提供している。

低コストでIoTを導入できる、見まもり君。

「今後は“見まもり君”の横展開、エンジニアリング事業の拡大などをめざしています。また、人材教育にも注力したいですね。特に、定年退職した技術者たちの高い技術を後進に伝えたい。案件を依頼すると“もう引退したから”と断る技術者も、“若手に仕事を教えて欲しい”と頼むと、喜んで参画してくれる。既に講習会などを開催していますが、もっと充実させたい」と将来を見据える平野氏。プラントの川上から川下までを網羅するエキスパート集団は、今日も課題解決力を武器に、日本のモノづくりを支え続けている。

代表取締役 平野祥之氏

(取材・文/仲西俊光)

ケイ・エイチ工業株式会社

代表取締役

平野 祥之氏

http://www.kh-co.jp

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