Vol.13 皇位継承、改元、10連休によるビジネスへの影響では、改元効果に最も期待する中小企業
【産業創造館ネットモニター調査 3月期調査】
詳しくは⇒ https://www.sansokan.jp/tyousa/movement/monitor/2019_03.pdf
5月1日の皇位継承に先駆けて、4月1日に新元号:令和が発表されました。こうした一連の大イベントについて、[1]天皇陛下の退位と平成時代の終焉、[2]皇太子の新天皇即位、[3]平成から令和への改元、の3つに区分して、ビジネスに及ぼす影響の方向性と程度をたずねました。
その結果、3つに共通的な傾向として、影響は「ほぼゼロ」が7~8割と大半を占めており、「わからない」が1割弱を占め、「(やや)マイナス」は3~5%と僅かに過ぎないこと、が指摘できます。
残る1~2割に着目しつつ、3つを比較すると、[3]改元が「(やや)プラス」が最も多く、全体では15.0%(業種別では、製造業:9%、非製造業:18.3%)を占め、「(やや)プラス」 から「(やや)マイナス」 を引いたDIは10.2に達します。
この結果が示唆するところは、“令和”にあやかった新しい商品開発やネーミング、イベント的催しがさまざまな業種で気兼ねなく可能となるためと考えられます。
改元は31年ぶりですが、この機会を捉え、社内の事務処理において使用するのが、元号(和暦)なのか、西暦なのか、について、現在と将来の方針に分けてたずねてみました。
この結果、まず、現在の使用状況で、最も多いのは「基本は西暦」で3割台半ばを占めます。以下「同程度に使用」が2割台半ば、「基本は元号」と「西暦のみ」がともに2割弱の第3位でした。
他方、将来方針をみると、最も多いのは「基本は西暦」 と「西暦のみ」とが同率で3割強となりました。「基本は西暦」が 現在よりも僅かに割合が減少したのに対して、「西暦のみ」は15ポイント以上も伸長しています。
このような『西暦派』の伸長は、「同程度に使用」が10ポイント余りも減ったことや、「基本は元号」も8ポイント近くも減ったことからも指摘できます。
今年の大型連休は暦上、例外的に10連休となりますが、果たして会社としての休業日数はどの程度であるのか、また、従業員の平均休日日数(連休前後の調整期間も含む)はどの位を確保するのかをたずねました。
選択肢が完全に一致していないため、厳密な比較はできませんが、明らかに指摘できることは、会社の休業日数はさほど多くない企業でも、従業員には精一杯、休日を確保しようとする姿勢が見られることです。
例えば、「10日間」休む会社は2割弱に過ぎませんが、「10日間」休む従業員は4割強にも達し、25ポイント近い差が生じています。逆に、会社の休業日数が「0日」の企業は3割弱に達しますが、休日が「0日間」の従業員割合は1%に過ぎません。
次に、10連休によるビジネスへの影響を、プラス面とマイナス面について具体的にたずねた後に、プラス/マイナスを総合(相殺)した影響についてたずねた結果、「ほぼゼロ/どちらでもない」が3割台半ばで最大となりました。
しかし、「マイナス」と「ややマイナス」がともに2割強を占めており、「(やや)プラス」よりも2.5倍近くも多くなっています。
こうした結果より、10連休はややマイナス効果をもたらしそうと思われますが、経営者の傾向として、ややネガティブに捉えがちな側面を勘案すると、実態的には「ほぼゼロ」と捉えても良さそうと思えます。
本編(https://www.sansokan.jp/tyousa/movement/monitor/2019_03.pdf)にはこうした状況をさらに詳細にたずねた結果などを紹介していますので、是非ともご覧ください。
(取材・文/大阪産業創造館 徳田裕平)