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セラミック栽培から生まれる新たな可能性

 4月に開業した「グランフロント大阪・ナレッジキャピタル」。ここに、従来の植物栽培の常識を覆す野菜工場が登場した。開発したのは、植物育成装置を手がけるハイトカルチャ。世界18ヶ国で特許を取得している「セラミック栽培」を導入した野菜工場で、太陽も土もない室内で栽培した無農薬野菜は併設フレンチレストラン「旬穀旬菜」(ロート製薬運営)の食材として利用されている。
 「必要なのはセラミック(陶磁器)のみ。あとは水と養分があれば野菜を育てられます」。そう久世氏が説明するように、原理はシンプル。植物の根がセラミックの表面に張り付き、セラミック内に浸透した水分を吸い上げて育つ。
 従来の野菜工場(水耕栽培)はレタスなどの葉菜の生産が中心だが、セラミック栽培は個別の栽培ケースで育てるため、季節を問わず、多品種の無農薬野菜を計画的に栽培できる。さらに植物の根に適度なストレスを与えることで、水耕栽培では得られない野菜本来の食味や栄養素を引き出せる。
 開発のきっかけは、セラミックを研究している京都大学の教授との出会いだ。産学連携で研究を進めていく中でセラミックと植物の相性がいいことが分かり「事業化できる」と確信した。当初、商品化したものの「どこに売っていいかわからなかった」。苦戦を強いられるが、観葉植物としてロフトや東急ハンズなどの大手流通に導入されたのを機に少しずつ販路が拡がった。
 しかし「まだ一般の方に知られていないのが現状です、今の課題はセラミック栽培そのものの認知を高め、新しい市場をつくりだすこと」と久世氏。現在、JAXA・東京大学と共同で宇宙空間での栽培実験を進めるなど新しい分野での用途を開拓中だ。

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▲「グランフロント大阪・ナレッジキャピタル」に導入された都会型農園。栽培用セラミック・栽培ケース・棚・蛍光灯で野菜工場がスタートできる。

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▲レタスやほうれん草などの葉菜だけでなく、大根、人参などの根菜、トマト、枝豆などの果菜まで多品種栽培が可能。

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▲虫がつきにくいというメリットを活かし、観葉植物として歯医者などの病院にも導入されている。

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▲セラミック事業部 営業・商品企画室 室長 久世 雄生氏

2013年06月10日
ハイトカルチャ株式会社
セラミック事業部 営業・商品企画室 室長  
久世 雄生氏

設立/1996年 資本金/30,900万円

従業員数/20名 事業内容/樹木・植物の生育に関する装置の企画・開発・販売を行う。セラミック栽培装置のほか、野生動物の食害防止などに活用する「ヘキサチューブ」、屋上・壁面緑化システム装置なども手がける。

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