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【マレーシア編】外部の力を最大限に活用し、東南アジア市場を開拓

入社以来4年間、技術部門でアクアレータの設計を担当していた川島氏は2010年の秋、営業部海外営業課に配属された。アクアレータは、汚水浄化に使われる生物分解槽で、汚濁物質を分解する微生物に空気を供給する装置。1970年代に開発し、国内の下水処理場の約半数に導入実績を持つ。

下水処理施設が行き渡った国内市場は頭打ちのため、海外市場の開拓が会社の命題となっていた。社長が率先して中国企業へ直接営業をしているが、製品価格が安く代金回収が難しいことに加え政治に左右されるため、ターゲットを東南アジアに切り替えた。

海外営業課が設けられたのはそのタイミング。「もともと大学院で学んだ環境分野で、世界をまたにかけて仕事をしたいと思っていた」。川島氏は意気に感じた。

課員は1人。できることは限られる。経済団体、自治体などが主催する海外進出支援のための集まりに積極的に顔を出した。関西の企業が持つ優れた水処理技術をアジアに売り込む組織から「タイの展示会に出展してみないか」と連絡が入った。展示会でマレーシアのエンジニアリング会社がアクアレータに興味を示してくれた。

アジアの技術者を関西に招くミッションでプレゼンの機会を与えてもらったときには、マレーシアのパームオイルの研究者が「工場の汚水処理にぜひ使いたい」と駆け寄ってきた。

2014年11月にはマレーシアのエンジニアリング会社、パームオイル商社、さらにはエンジニアリング会社から紹介してもらったインドネシアの会社とそれぞれ販売店契約を結び、本格的に営業活動を開始。

こうした動きが自治体の目に留まり、ODAを活用してマレーシアのパームオイル工場に対し排水処理高度化と資源循環利用の実証事業も進んでいる。以前は年に数回程度だった出張回数も月1回に増え、受注を着実に増やしている。

「中小企業に余力はない。その分、社外の支援を最大限活用しようと考えた。そこでキーマンと思える人には貪欲に会って話をしていったことで輪が広がっていった」と川島氏。

現在の課題は納期と価格。受注してから船便で送るまで4カ月という納期は特に敬遠されがちだという。「工程プロセスの見直しや在庫保有、さらに部品調達も見直しながら、販売価格の低減や製造納期の短縮を実現していきたい」とアジア市場への本格展開を視野に入れる。

ここがびっくり!!マレーシアビジネス
●中国系経営者はスピード感があるのに対し、マレー系はゆったりしている。
●現地顧客が要求する納期はきわめて短いため、「在庫を持っておくのは当たり前」。


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▲販売店と共同で現地の展示会に出展している。

アクアレータ
▲公共、民間が進める汚水処理で普及が期待されるアクアレータ。

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▲営業部海外営業課 主任 川島 裕貴氏

(取材・文/山口裕史)

2015年09月09日
阪神動力機械株式会社
営業部海外営業課 主任  
川島 裕貴氏

資本金/7,260万円 従業員数/100名

事業内容/歯車減速機とこれを生かした河川施設用機器、アクアレータなどの

水処理、設備用機器、自動結束機などの産業用設備機器を製造。

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