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【あぁ、麗しのファミリービジネス】Vol.17 今ある経営資源×新発想で生まれるイノベーション

inovation

ファミリービジネス大国の日本では今、後継者不在企業が急増。同族継承はこの10年で6割に激減し、M&Aや社員継承が増えてきました。
でも私は「家族での継承はもっとも経済合理性が高い」と考えています。

なぜなら「経営者の存続への執念がハンパないから」です。

「じいさんがつくった会社を俺の代で潰すわけにはいかへん」。この言葉をこれまで何度聞いてきたことか。
そして、この「会社は絶対に存続させる」という、いわば経営者の執念から生まれるものがあります。

今ある経営資源×新発想で生まれるイノベーション

時代を超えて生き残るために、挑戦が必要なのは当然。ファミリービジネスの場合、注目すべきは挑戦のスタイルです。

存続最優先なので、倒産するかもしれないほどリスクが大きい挑戦はしない。本業や自社の強みに親和性がない新規事業もやらない。空振りするリスクをとってホームランを狙って振り抜くのではなく、バントを重ねて手堅く点を重ねる「関連多角化」戦略です。

確かにシリコンバレーのベンチャー企業みたいにダイナミックなイノベーションじゃない。でも、先代から受け継いだ有形無形の経営資源に、後継社長が新しいノウハウを掛け算して、小さなイノベーションを無数に生み出してきたのが日本です。

会社に関わる人々のハッピー

平成21年の経済産業省の調査で、同族企業は非同族企業よりも業績がいいという結果が出ました。上場企業、非上場企業、諸外国などさまざまな条件での比較ですが、興味深いのは、不況期下での比較です。

非同族企業は、株主のために短期的な利益を捻出しなくてはならずリストラを断行。
一方、同族企業は、利益を大幅に減らしながらも雇用を拡大。企業の継続性を重視して、短期的な利益よりも雇用を守ることを優先するという経営方針です。会社をとりまく関係者(社員、社員の家族、仕入れ先、顧客、地域)との信頼関係がなければ会社を存続できないと考える。こういった姿勢が平時での業績の違いに影響を与えるのは言うまでもありません。

日本の競争力の礎は日本の企業の存続力です。存続力を支えているのは経営者の執念です。
M&Aで買収した社長だったら。サラリーマン社長だったら。果たして同じほどの執念を持てるのか。
私はやっぱりファミリービジネス推しです。

yamano

【筆者Profile】
大阪産業創造館 山野 千枝

本紙「Bplatz press」編集長。数多くの中小企業を取材する中で、家業を受け継ぎ、事業を展開する経営者の生き様に美学を感じる一方、
昨今の後継者不在問題を憂いて「ファミリービジネスの事業承継」をテーマに現役の後継社長とともに関西学院大学、甲南大学、関西大学で教鞭をとる。
実家も四代続くファミリービジネス。

2015年08月07日
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