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ナノテクを支えるプラズマ溶融ビーズ

金を使った絵具の開発から始まった大研化学工業の歴史。金属を粉末やペーストに加工し、電子部品に使われる電極の材料として供給してきた。5年前にプラズマ研究所を設立。超高温・高周波のプラズマの熱で金属やセラミックスを溶かして球体にし、ミクロンサイズのビーズをつくっている。

プラズマの温度は太陽の表面温度(約6千度)を超える約1万度にもなり、扱いは難しい。長時間安定して熱を発する状態を保つのは至難の業だ。その熱で、非常に融点が高い「ジルコニア」の粉末粒子を一瞬で溶かし、50ミクロン以下という極小の丸いビーズを製造する。

現在、直径7ミクロンのサイズを安定供給するまでの、極小化に成功した。販売されたジルコニアビーズは、ナノ粒子を液体へ分散する用途などで使われる。ビーズとナノ粒子を液体中で一緒に撹拌すると、ビーズはナノ粒子の塊を解きほぐし、一つ一つに分散させる。

例えば、鮮やかなディスプレイや、深みがある車の塗料、肌になじむファンデーションなどを生み出すために、多方面で同社の極小ビーズが活躍している。プラズマを用いてつくることで耐摩耗性にも優れ、同社の研究では従来の焼結タイプより約1000倍長持ちするというデータを取ることもできた。

原料を効率よく製品化してコストを抑える努力はもちろん、台湾や韓国、中国のメーカーにも取引を拡大。幅広い金属・セラミックスのビーズをつくる受託加工にも対応している。今後は3Dプリンターなど、新分野にも積極的に関与していきたいと考えている。


ジルコニア前
▲「ジルコニア」をプラズマで溶融することで、5~50マイクロメートルのきれいな球体に。
ジルコニアだけでなく融点の高い金属でも球体にできる。

ダイヤモンド
▲「ナノダイヤモンド」をジルコニアビーズで極小サイズに分散させることが可能。
分散後(右)はより透明度が高まる。粉体の特性により、幅広い製品への応用が期待される。

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▲先端技術事業開発本部 プラズマ研究部 部長  井上 好明氏

(取材・文/衛藤真奈実)

2015年07月09日
大研化学工業株式会社 プラズマ研究所
先端技術事業開発本部 プラズマ研究部 部長  
井上 好明氏

電子材料の総合メーカー。ミクロンからナノサイズまでの粉体加工技術を持つ。プラズマによる溶融ビーズの製造や粉体処理を行う研究所を社内に設置している。

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