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情報共有することでだれもが商品企画できる仕組みをつくる

商品阪和

陶器製の加湿器、折り畳み式卓上LEDライト、室内用ハンモック…。商品そのものの機能を追求するのではなく、デザイン性や新たな使い方で新味を加えるのが同社の商品開発のやり方だ。

「こんな商品をつくりたい」という社員からの発案について、「生活に『驚き』を創造できるか」「バイヤーがその製品を選ぶ理由は何か」という2点の問いを投げかけ、明確な答えがあれば開発にゴーサインが出される。発案者が企画を担当し、売れ残った場合の販売先、価格までをシミュレーションしたうえで、デザイナー、海外工場との交渉担当者、営業担当者、それにマネージャーからなる開発チームが構成される。それぞれの担当者と工場やバイヤーとのメール、電話のやり取り、進捗状況は全社員にすべて公開される。「スーパーマンが一人いても商品企画は継続できない。情報共有することで、組織のだれもが企画を担えるようにしておきたい」と今井氏。「製品が出来上がるまでどんなことで苦労するかを知っておけば企画のハードルは下がる。併せて情報を公開することで何かトラブルが生じたときでも全員で対応できる。止まっている商品も止まっていられなくなる」とも語る。

3年ほど前から、提案型商品に特化してきた。その代表格が加湿器だ。それまで1万円以上していた白物家電の加湿器に10色のバリエーションを提供し、5千円前後で売り出した。以降、各家庭の1部屋に1台を合言葉に、陶器製、リモコン付きなどを送り出してきた。

全社で年間100の商品を送り出すことを目標に掲げる。だが、そのうち3年以上継続して売れるのは10分の1ほど。社員に徹底するのは「しっかり利益を取ること」だ。商品ごと、チームごと、社員ごとの収益が1ヵ月ごとにランキングで公表される。貢献度が給与に反映される評価体系に見直し、モチベーションを促す。「利益が出て初めて、継続的に商品が出せる。PLに年数百万円を支払ったり、ユーザーへのサポート体制も整えられる。利益を出すことは責任。痛いところも全員で共有している」と今井氏。開発商品数を増やし、ヒット率をさらに高めていくことが普遍のテーマ。そのためにここ数年は新卒の採用にも積極的に取り組んでいる。これが「だれもが商品を企画できるようになるための」仕組みなのだ。

会議中
▲毎月行われる開発会議。進捗状況は社内にすべて公表される。

工場検品
▲検品も、それぞれの開発担当者自ら確認する。

開発段階
▲商品になるまでのデザイン段階。

海外展示会
▲ドイツでの展示会の様子。海外に向けた商品も開発している。

【失敗秘話】収益が3期以上前年割れなら撤退!?
 「大手が寡占している市場」が参入の一つの目安だという。が、ブームになっている商品は企画担当者にとって魅力的に映る。キャリーバッグもその一つ。4年前に参入したものの、廃番となった。「家電製品と比べ法令が緩くだれでも輸入できる。そのため中小業者が乱立し、激しい競争になっている」と苦戦の理由を語る。収益が3期以上前年割れ、もしくは4期以上予算割れの場合、撤退するというルールを決めている。

カバン

今井さん
取締役 ライフスタイルユニット ジェネラルマネージャー 今井 柾文氏

(取材・文/山口裕史)

2015年06月09日
株式会社阪和
取締役 ライフスタイルユニット ジェネラルマネージャー  
今井 柾文氏
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