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映画やアニメの世界が現実に

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一昔前のSF映画やアニメで描かれていた空想の世界は今、目まぐるしいスピードで進化するテクノロジーによってどんどん実現している。いつの時代も「ありえない世界」を人間がわくわくと想像することから技術革新は始まるのだ。

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【その1】人間の力をパワーアップ!?

「エイリアン2」に出てくる2足歩行型ロボット「パワーローダー」。主人公のリプリーが乗り込み、自分の手足のように操ってエイリアンと戦う姿に憧れた人も多いんじゃないでしょうか。アクティブリンクが2010年に完成させた装着型ロボット「パワーアシストスーツ」はまさにこの「パワーローダー」に着想を得て開発されたものなんです。

センサーやモーターを使って手足の動きに連動し、力を増幅させることで作業を支援する。農業や介護などの現場でも活躍しています。今年中には量産化され、50万円で販売される予定です。さらに人間の身体そのものがロボットに置き換わり、パワーアップするサイボーグ技術やそれらが義体として登場する「攻殻機動隊」の世界も実現が待ち遠しいです。

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▲映画「エイリアン2」に登場した重量物を運搬するパワーローダー。映画では、これを搭乗した主人公が危険な宇宙生物「エイリアン」と一対一で格闘する(写真左)20世紀フォックスホーム エンターテイメント ジャパン/エイリアン2 ブルーレイ発売中 ¥2,381(税抜き)。
▲装着すれば、人間の筋力をアップできる「パワーアシストスーツ」(写真右)。

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【その2】感じたことを動きに変える!?

パイロットの出す感応波(サイコウェーブ)を機械語に翻訳することによって機体を思い通りに操作する―。「機動戦士ガンダムシリーズ」に出てくるサイコミュシステムの原理は、意思として発せられる脳波を電気信号に変換して体を動かすブレイン・マシン・インターフェース(BMI)として実用化が進んでいます。

脳波などの生体信号を活用するセンサを開発するニューロスカイジャパンは、感情に応じて装着した猫の耳が動くおもちゃ「necomimi」を商品化しています。BMIによって手足が不自由な人が義手、義足を自由に動かす技術の開発も進んでますね。ゆくゆくはクルマの運転やその場にいながらにして電気を消したり、ドアを開けたりというようなこともできるようになるかもしれません。

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▲装着した人間の脳波を読み取り、感情の変化で耳の動き方が変わるおもちゃ「necomimi(ねこみみ)」。

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▲念じるだけで、身の回りの物を動かせるようになる日も近い!?
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【その3】人工知能が人間を凌駕する!?

1968年に公開された映画「2001年宇宙の旅」に登場する、知能を持ったコンピュータ「HAL9000」はその象徴ですね。膨大な情報を収集し、適切な答えを瞬時に導き出す人工知能。大量のデータを扱うコンピュータの進歩により人工知能の進歩はますます著しくなっています。

4年前にIBMの「ワトソン」が人間のクイズ王に挑戦して勝ったことが話題になりましたね。音声による質問に答えてくれるiPhoneの「Siri」、スカイプが開発を進める多言語間のリアルタイム翻訳システムなどの完成度を考えると、HALにこめられた世界はもうすぐそこまで近づいているのかもしれません。

ただ、人工知能が意識を持ち、人類を根絶するために核兵器を使用するシーンが出てくる「ターミネーター」のように、科学技術の進歩が人間の知能や思考を凌駕し、人類を危機に陥れるストーリーを描いた映画、アニメもまた多いですね。技術の進歩は必ずしもバラ色の未来だけを実現するわけじゃないです。開発に多くの人の目が何段階にもわたってかかわることで“暴走”への抑止力を働かせることも大切だと思います。

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▲意思を持った人工知能によって支配されているロボットと人間が戦う2029年の近未来を描いた「ターミネーター」(写真左)20世紀フォックスホーム エンターテイメント ジャパン/ターミネーター ブルーレイ発売中 ¥1,905(税抜き)。
▲宇宙船をつかさどる人工知能「HAL9000」が、人間の矛盾した命令により暴走を始める「2001年宇宙の旅」(写真右)ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント⇒2001年宇宙の旅 ブルーレイ発売中 ¥2,381(税抜き)・DVD ¥1,429 (税抜き)。

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【その4】届けたい情報を届けたい人に伝える!?

個人を特定する認証技術も多くの映画で使われています。「マイノリティ・リポート」では眼球をスキャンするという手法で街中を歩く群衆の中から探したい個人を瞬時に探し出すシーンが何度か登場しています。この技術を実用化したのがクリテックジャパンの虹彩認証装置「IrisKeyⅢ」。眼球の黒目に現れる虹彩のパターンを抽出して認証する仕組みです。

この技術を、個人が持つ趣味・嗜好がわかる蓄積された情報と周辺情報のビッグデータを組み合わせれば、街や商業施設を歩いているときに興味のある商品の情報を教えてくれるといったピンポイントの広告を届けることもできるでしょうね。情報を伝える手段はグーグルグラスのような身体装着型のコンピュータに文字情報として送る方法もあれば、音の進む方向を絞り込んで特定の人に届ける超指向性スピーカーでも可能です。

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▲犯罪予知システムがストーリーのベースとなる「マイノリティ・リポート」。2054年の日常の世界が描かれている(写真左)。20世紀フォックスホーム エンターテイメント ジャパン/マイノリティ・リポート ブルーレイ発売中 ¥1,905(税抜き)。
▲虹彩認証装置「IrisKeyⅢ」。眼の形をした鏡に焦点を合わせるだけで、個人認証ができる(写真右)。

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【その5】体内に入り込んで手術!?

医療の世界に目を転じても、映画で空想された世界が現実のものになりつつある例は多いです。1966年に公開された「ミクロの決死圏」は、将来の医療・科学の進歩を予想して描かれたとされているんですが、中でも医療チームを乗せた潜航艇をミクロ化して体内に注入し、脳の内部から治療する発想は驚かされました。

これをかたちにしたのがアールエフが現在開発中のカプセル型内視鏡「Sayaka」です。6〜8mに及ぶ消化管内部を、アクチュエータとモーターの推進力でカプセル内のカメラが回転しながら撮影し、体内MAPをつくりあげるんです。さらに小型化が実現すれば脳や血管内部を撮影することもできるでしょうし、先端部にレーザやメスをつけて簡単な手術までしてしまう手術ロボットが現れるかもしれませんね。

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▲「ミクロの決死圏」では、ミクロ大に縮小された潜行艇に乗り込んだ外科医が病に倒れた博士の体内に入り込んで手術する。20世紀フォックスホーム エンターテイメント ジャパン/ミクロの決死圏 ブルーレイ発売中 ¥4,700(税抜き)

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▲アールエフが現在開発中のカプセル内視鏡「Sayaka」。搭載されたカメラが回転しながら体内を撮影する。

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大阪産業創造館 事業推進支援チーム 田中 良典

ロボットなどの最先端技術をもつ企業の事業展開、医療分野の製品開発、大学の研究シーズの実用化などのサポートを8年間担当し、最先端技術をもつ企業の情報量はピカ一。無類のSF映画・アニメ好きで、「実現可能性を感じる近未来感がたまらない」という理由で「攻殻機動隊」がナンバーワン。

仕事柄、開発者に接することが多く、「人の暮らしを豊かにするために、ただひたすら研究開発に打ち込んでいる彼らに心を打たれる。彼らがいるからこそ、これからも技術はどんどん進化する。でも技術革新で得られるメリットだけじゃなく、その技術を使う人間の道徳や倫理観、そして製品としての安全性などが同時に議論されることが必要」と語る。

tanakasan

2015年03月09日
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