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タイプも得意分野も正反対、でも共にめざすのは世界

4年間、化粧品会社で勤務してからタビオに入りました。親の会社を継ぐ、というよりは「手伝いにいかなきゃ」という感覚でしたね。大変だなという意識はなく、むしろ父の会社があるということは運のよいことだな、と。イチローの息子というだけでメジャーリーグの球団に入れるわけではありませんから。

化粧品会社では店頭で販売を担当しており、その経験が生きました。一つは、店を起点にして考えるくせが付いたこと、そして本部と現場の距離が遠くてはいけないということを痛感したことです。

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うちの強みはなんといってもメイドインジャパンへのこだわり。ものづくりが基盤の会社で営業は後づけの会社です。だから商品が売れないときは営業が救え、とよく言っています。売れないものでも売れるようにするのが営業ですから。ものづくりは父、店頭は私という役割分担ができています。

39歳のときに社長を引き継いだのですが、いつでも心構えはできていました。それまでに父が苦手な株主総会での応答とIRは引き受けていましたしね。だから今でも株主総会の日だけは感謝されます(笑)。

会長(父)は創業者として会社をここまで育ててきました。「靴下の神様」とも言われるほどものづくりにこだわっ
てきた強烈な個性の持ち主です。怒るとめちゃくちゃこわいし(笑)。けんかも勝てる気がしない。その会長と同じ人間になれるとは思えないし、なろうとも思わない。だからプレッシャーもないんです。僕には僕のやり方がありますから。

2代目として意識していることはトップダウンで指示をしないこと。売上げが落ちた時は、他店と自分の店をまわって、自分の足で理由を探る。店頭スタッフから2時間、話を聞かせてもらうこともあります。ある店が開店したとき店が什器であふれていたので「什器を2本抜こう」といったら、その後全店でその指示が一気に広まってしまったんです。

トップダウンだった創業者が健在の組織だとどうしてもそうなる。なるべく理論的に、誤解が生じないように話すように気をつけていますし、父が怒って落ち込んでいる社員には理由を説明してフォローします。会長が逆のことをしてくれることもありますしね(笑)。

会長とは日々ぶつかってますが、「世界一の靴下総合企業を作る」というシンプルな経営理念が根底のところで共有できているので本質的な衝突はありません。奈良の靴下産業を50年後、100年後も残すことが会社の使命です。売り方は変わっても、これからも日本のものづくりを守る会社であり続けようと思っています。

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(取材・文/山口裕史 写真/福永浩二)

代表取締役会長 越智 直正 氏(左)の記事はコチラ
→ 引き継いでいってほしいのは 日本のものづくりの魂
誌面では紹介しきれなかったロングインタビューはコチラ
→ 得意分野を補い合いながら、日本のものづくりの魂を守り抜く

2015年01月09日
タビオ株式会社
代表取締役社長  
越智 勝寛 氏

メイドインジャパンを主とした靴下の企画・卸・小売。靴下専門店の「靴下屋」「ショセット」「タビオ」を展開する。

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