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「発注者」としての経験生かす

一般的に製品は、構想・企画、開発・設計から試作・評価を経て、最後に量産され市場に出回る。電子機器や設備機械の開発・設計受託を手掛けるアシステック(東大阪市)の伊藤隆康社長は、大手メーカーで25年もの間、製品開発を担当していた。自らの「発注者としての経験」を生かして、事業を営んでいる。

下請けの開発者の多くは、メーカーの要求する仕様に沿って設計し、試作品を製作して納入するだけ、と言うのが一般的だ。しかし伊藤社長は、要求された仕様から構想・設計を行い、最適な実現方法が別にある場合には逆提案も行う。

あるとき、ねじ締め用の電気ドリルを製造するメーカーから、締めすぎ防止のために自動で停止する機能を加えたいと依頼があった。要求された仕様はモーターに掛かる電圧の変化で制御するシステムだったが、実際の使用シーンやコスト、サイズなどを検討した結果、光学センサーを使って、計測した壁や板などの対象物との距離の分だけ締める方式を提案し、採用された。

もう一つのユニークな取り組みは、設計を得意とする企業350社以上とのネットワークだ。デザイン、機械設計、回路設計、ソフト開発など、さまざまな分野を得意とする企業が提携先としてつながっている。実はこうした設計分野には「業界」が存在せず、メーカーと設計受託業者がなかなかマッチングしないのが実情だという。

伊藤社長もかつて発注者として、開発受託者の得意分野などが不明瞭で、やっと見つけても今抱えている案件で手いっぱいだからと幾度も断られた。この活動はそこから着想を得たという。

同社のホームページで開設した「設計アライアンスパートナー募集」の窓口には多数の企業から問い合わせが寄せられる。所在地や技術的な強み、得意分野などの情報をリスト化。開発案件に応じて、最適な設計者をコーディネートし、開発チームを組成するのが同社の役目だ。いずれの案件も顧客の要望する仕様を実現する基本設計は同社が行い、詳細設計をパートナーが行っている。

製品開発工程の技術者同士の連携を円滑にするため、設計者による「業界」を作れないかと現在模索中だという。

(大阪産業創造館 プランナー 坂田聡司朗)

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▲アシステック社の開発室と伊藤隆康社長

2014年10月27日
株式会社アシステック
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