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【ロングインタビュー】独立系メーカーとして生き残る

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海外で乗られている日本車向けに補修用のエンジンバルブを生産、輸出している日本精機。日本車メーカーの系列に属することなく事業を続けてきたことには苦労も伴ったが、いまあらためて自力で海外の顧客を開拓してきたことが同社の大きな財産になっている。髙橋祐子社長の話からは独立系メーカーとしての気概がひしひしと伝わってくる。

>>> どのようなバルブをつくっているのでしょうか。

バイクや車、船のエンジンを動かすためのバルブです。バルブは、エンジンルームの中で爆発を起こすために新しい空気を入れ、また爆発後の空気を外に出すための給排気のための弁です。よく16バルブとか24バルブとか聞くでしょう。16バルブなら16本、24バルブなら24本のバルブが使われているということです。

バルブは1本の棒からつくられます。まず棒に電気を通して熱を持ったところに圧力を掛けると先端が膨らんできます。まっ赤になったところを金型で挟み込むようにしてつぶし、傘の部分をつくります。その後は軸の長さをそろえ、傘のバリをとり、軸に溝を切り、焼入れをし、削った後、最後に「メイドインジャパン」「ドクロ」ブランドのレーザーマークを入れて完成です。

組み立てのプロセスはまったくありません。よく社員に言うのは「バケツリレーのような仕事だ」ということです。鍛造だけ打てても前後がついてこなかったらスムーズに流れません。みな同じように流れていくためにはチームワークが第一です。それぞれの加工ごとに担当はいますが、それぞれ忙しさが偏ったときには助け合えるように考えています。

難儀するのは材料をいつまでにどれだけ確保するかです。仕入れる鉄屋さんの事情があるので、少なくとも4カ前から発注量を確定しておかないといけません。

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>>> 生産している全量が補修用バルブで、しかも大半が海外向けだそうですね。

先代の父は、大手の自動車メーカーの新車向けにバルブをつくっていた時期がありました。ところが、彼らはやはり自分たちの都合がすべてですから、忙しいときには「ほかの仕事をするな」と言い、暇になると「他に仕事を探せ」と言う。振り回されるのが耐えられずに、外国車向けの補修用バルブの輸出を始めたのです。当時は1ドル360円の時代ですから、コスト競争力がありました。日本車メーカーとの取引は手形でしたが、外国車メーカーとは貿易なのでキャッシュの商売だったことにもひかれ、そちらにシフトしていきました。

だんだんと日本車が輸出されるようになっていくと、今度は日本車を納めた海外で補修用のバルブが欲しいといわれるようになりました。日本車のバルブはやはり日本のメーカーのほうが安心だろうと思われていたのです。それで、そちらへ変わっていきました。

国内には当社も含めバルブメーカーが7社ありますが、そのうち5社は自動車メーカーの系列で、残り1社は新車向け、補修用の両方を手がけています。純粋に独立系のメーカーは当社だけです。

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>>> どのような国に向けて輸出しているのですか。

いわゆる発展途上国です。よく出ているのは、バングラデシュ、サウジアラビア、フィリピン、マレーシア、スーダン、ペルー、グアテマラ、コロンビアなどです。たとえばアフリカのスーダンで一番多く走っている車はトヨタの「12R」という30年前の古い車です。日本の車は部品を換えたらいつまでも走るので、そうした国では重宝がられているのです。そのように国によって車種も違うし、バルブも異なるのでそれぞれについて注文に応じています。

それぞれに国には部品輸入商がいてその方たちが窓口になります。部品輸入商のさきに卸、修理工場、小売がいます。車が丈夫なことはもちろん、エンジンバルブに限らず日本の補修部品メーカーはとても親切。日本車が各国で愛用されている理由です。

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2014年09月09日
日本精機株式会社
代表取締役   
髙橋 祐子氏
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