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【事業承継相談窓口の舞台裏】連載vol.3 次世代のことを考えた方針決定

年代は60代後半から70代の社長経験者の方は、興味深い経験を多数されています。高度成長期からバブル全盛期の経済の大発展時代、その後のバブル崩壊やリーマンショックなどの経済危機。時代の浮き沈みを乗り越えてきたからなのか、社長職を譲った後も会社や商品への強い思いから、いつまでも意思決定に口を出してしまい、結果的に現場が混乱するという事例が多いのが現実です。

ある方は、この思いを上手く消化しつつ、後継者に事業を引き継ぎました。承継するにあたり第一に決めたことは、後継者は一人のみで、他の家族や親族は会社に入れないということ。これには、親族の甘えや株式の分散など、ご自身が会社を受け継いだ時の苦い経験が背景にあったようです。親族の不満の声も多少あったようですが、後継者が経営しやすい環境をつくるための決断でした。

後継者には製造現場から営業・財務と各部門を数年ずつ経験させた後、社長職を交代しました。ただ、社長を交代しても、会社がすぐに新社長の色に変わることはありません。経営者の仕事は交代後数年をかけて引き継ぎ、現在は社長から相談があった時だけサポートされています。

また、好調な業績ゆえの株価の高騰、分散した株を後継者に集中させるプロセスでもご苦労はあったそうです。しかし、時期を決め計画的に進めることにより、当初想定していた負担はかなりおさえることができました。

この会長のお考えで最も共感できたことは「次世代のことを考えた方針決定」でした。

これからの会社にとって何がベターなのか。社長の交代時期、株式の譲渡、税金の対策、関係者への対応など、それぞれの課題で、その時点ではベストと思える方策があるでしょう。でも気をつけなければいけないのは、将来的にベターな結果をもたらすかどうかです。この方は、常に「将来的にベターかどうか」で判断されたことでスムーズにバトンタッチできたのだと思います。

安心して次の代に会社を譲るための計画と対策。いずれにしても、早め早めに考えて、柔軟に対応していくことが、事業承継を上手く進めていくコツなのかもしれません。

arai
▲大阪産業創造館 事業承継なんでも相談所 荒井 祐己子
経営者対象のセミナー講座や若手経営者のためのビジネススクール「なにわあきんど塾」を担当。長年耳を傾けてきた経営者の生身の声をもとに同プロジェクトを立ち上げた。

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2014年03月07日
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