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運がいいと信じること そして人を信じること

26歳の時、勤めていた町工場が倒産した。破産手続きが進む中、一従業員だった橋本氏は工場での“ろう城”を決断する。未払い賃金をはじめとする労働債権を社外の債権者から守るためだ。当初100人いた賛同者も最後は数人に。金属加工の仕事を細々と受注し、炊き出しをしながら食いつなぎ、3年後、破産管財人から受け取った解決金を元手に仲間4人で株式会社フジムラを設立した。

橋本氏は最年少ながら社長に推された。だが創業まもなく取引先から不渡り手形を食らうと、「わしらは知らん」と手のひらを返したように仲間の態度が変わる。オーナーとなって会社を再出発させることを決断するも、膨れ上がった借金が重くのしかかった。沈没しかけの船から取引先、社員がわれ先にと逃げ出そうとする中で、地道に新たな取引先を開拓しながらなんとか会社を再建。今では製缶業としてさまざまな業界に販路を持つ。

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「自分は運がいいと信じること」が橋本氏の信条。「しんどいことがあっても一晩寝たら忘れてまう(笑)」と苦笑する。最近、つくづく思うのは「正直に生きていれば、おのずといい人が集まってくる」ということだ。取引先は人の縁で紹介してもらった先ばかり。また、高校を中退してぶらぶらしていたような“やんちゃ”な若者を社員として受け入れてきた。育て方はいつも体当たり。「仕事の腕を磨き、実力をつければ、年齢が上であろうとひるむことはない」と負けん気を植え付ける。「家でも学校でもほっとかれてきた子にとって、中小企業の社長は最後の砦。私生活にまで立ち入って鍛えてきた」。橋本氏のことを親父と呼んで慕う社員が友達を連れてくるようになり、今では若手社員中心で現場がまわっている。

4年前、工場を新設。リーマンショックで買い手がつかなかった工場を格安で入手した。思い切った買い物だったが、この移転が新しい販路の開拓など更なる飛躍のきっかけとなった。「うちに買わすためにリーマンショックが起きたんや(笑)」。

裏切られたこともあった。でも自分を信じる。そして、そんな自分の周りに集まる人間を信じる。それが橋本氏の笑顔の源泉なのだ。

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▲「自らのしてきた行いは必ず、自らに返ってくる。厳しい状況に直面しても誠実に全力で向き合って行動すれば、道は切り拓くことができる」という意。

※【長編】社員は家族、人情おやじ社長の人生哲学
http://bplatz.sansokan.jp/archives/1187

2013年10月10日
株式会社フジムラ
代表取締役  
橋本 秀一氏

設立/1980年 資本金/1,000万円
従業員数/9名 事業内容/溶接、切断、曲げ、組み立てまで一貫して手がける製缶業。電子機器の小物からステンレスタンクなどの大物まで幅広く製造する。さまざまな業界に販路を持つため、景気に左右されにくい経営基盤が強みだ。

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