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「どうせつぶれるならおもろいことを」 起死回生の業態転換

「もう手元には君らの半年分の給料しか残っていない。それでもやってくれるか」。
3年前のある日、濵本氏は意を決して社員に切り出した。累積債務は1億円にまで膨れ上がっていた。当時の年商は内装工事と壁紙販売の2部門で7億円。このうち4億円を占める内装工事業から撤退し、赤字が続いていた壁紙販売業に特化する決断をしていた。「うちでなくてもできる」内装工事はとことんまで価格をたたかれていたのに対し、壁紙に特化してネットとショップでエンドユーザーに直接販売する事業には競合がおらず、先駆者として市場を作り上げていく喜びがあった。
「どの道つぶれるんやったら最後におもろいと思うことを、とことんやりきってからやめよう」と腹をくくって発したのが冒頭の言葉だ。

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「10年後に世界一の壁紙屋になる」と宣言し、世界の壁紙の情報を徹底的に調べた。白地や無難な柄が好まれる日本の市場とは対照的なデザインの多彩さ、奥深さに驚かされた。「欧米の人たちは日常生活の中で当たり前のように壁紙を楽しんでいる」。日本では受け入れられないだろうという先入観でフィルターをかけていた商社を尻目に、世界の壁紙業者と直接連絡を取り、売らせて欲しいと頼み込んだ。併せてそれまで量重視でランダムに載せていたやり方を改め、顧客のターゲットを明確にし、テイストごとに壁紙をジャンル分けしてWEBに掲載。選ぶ楽しみを演出した。2011年には輸入壁紙専門のネットショップ「ワルパ」を立ち上げ評判を呼んだ。

宣言から半年目の月。売上げが損益分岐点の3,650万円を超えた。 現在、社員は3年前の17人から45人にまで増えた。濵本氏が採用する時に必ず聞くのは「壁紙がほんまに好きか」という一点。入社してから半年ごとに行う面接でも「やってておもろいか」と聞く。

この7月、東京・恵比寿店のオープニングパーティーはあふれんばかりの来場者でにぎわった。「13年前、南堀江に初めて出店した時は誰にも相手にされなかった。でも今ではこうしてたくさんの人がここでしか買えない壁紙を求めてやってきてくれる」。そう思うと涙が止まらなかった。「2020年に世界一の壁紙屋になる」目標に着実に近づいている。  

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▲「座右の銘とか嫌いでね。自分の性に合わへんからやめときますわ(笑)」。

※【長編】「覚悟を決めたら全てがおもろくなった」めざすは「世界一の壁紙屋」 http://bplatz.sansokan.jp/archives/1185

2013年10月10日
株式会社フィル
代表取締役  
濵本 廣一氏

設立/2000年 資本金/1,000万円
従業員数/45名 事業内容/もともとは内装工事業を手がけていたが2000年から壁紙販売業をスタート。3年前に壁紙販売業に特化し、現在は6つのサイトで販売するほか、大阪、東京、名古屋、福岡にショップを展開している。

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