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海外展開 決め手は現地社員の育成

米島フエルト産業株式会社(大阪市都島区)の創業は1946年。フェルトペンの芯材から自動車部品の保護材まで、幅広い業界で使用されているフェルトなどの機能性軟質材を長年取り扱ってきた。現在では、世界を舞台にスマートフォンに内蔵する部品を他社と共同で開発するなど、メーカーとしても事業を展開する。

現社長の米島智哉氏が入社したのは2002年。04年からは同社の中国工場に責任者として赴任した。世界各国のメーカーの生産拠点が集まる中国にはモノづくりのさまざまな情報が集まる。

なかでも、さまざまな業界で使用される機能性軟質材は加工技術も多岐にわたる。米島氏は、同社が国内で長年培ったノウハウや技術情報をもとに、現地メーカーと素材メーカーや加工会社との間のコーディネーター的な役割を果たしてきた。その中でスマートフォン(高機能携帯電話)やタブレット端末の音楽再生機能には軟質材を使用した機能性部品が必要であることを知り、新たな開発に取り組んだ。

同社で注目すべきは、現地での中国人社員の育成だ。米島氏は中国工場の経営資源だけで仕事が取れるようにと、精力的に営業マンを育ててきた。今では技術レベルが合わない現地メーカーとの交渉で、彼らの口から「ウチは日系企業なので品質の低いものは扱わない」という言葉が出る。
とはいえ、ここまでの信頼関係を築くまでには紆余(うよ)曲折があった。最初はよくけんかもしたという。

「なぜ競争に勝つために安くしちゃダメなんだ?」という中国人社員に対し、「勝負は値段だけじゃない。いいものを提供し、長期的な関係を築こう」と粘り強く説得した。遠慮しないでトコトン話し合ったことで、今ではその社員が指導役となって中国工場を引っ張ってくれている。現在約80人いる中国人社員は、昼休みを返上して自主的に日本語を学んでいる。

「さまざまな業界で使用される素材を扱っているのがうちの最大の強み。この強みを通して入手できる情報を目利きできるプロフェッショナルを育てるのが今後の課題」と米島氏は語る。進化する同社の動きに注目したい。

(大阪産業創造館 シニアプランナー 中根己貴男)

yoneshima
▲自主的に日本語を学ぶ中国の現地社員

2013年09月16日
米島フエルト産業株式会社 
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