優れた特性を持つ黒鉛の認知度を高めたい

黒鉛は4つの大きな特性を持つ。まず「耐熱性」。無酸素状態では3550℃という高い融点を持ち、鉄鋼メーカーの高炉などに耐火物として大量に使われている。

次に「潤滑性」。黒鉛は重なり合った結晶の結合が弱いために層がすべりやすい。この特性を生かして書けるのが鉛筆で、自動車のブレーキをかけた時の摩擦を調整する材料としても使われている。

そして「熱・電気の良導性」。アルミや銅などの金属に比べると導熱、導電性はやや劣るものの、比重が軽い特性を生かし樹脂などに混ぜることでパソコンなどの放熱性を高めることに役立っている。

4つめが「耐薬品性」。強酸、強アルカリなどの化学薬品と反応しにくく、ガスや蒸気が流れる場所のシール材として利用されている。

「このほかも高熱で膨張する黒鉛もあり火事の時に煙をもれなくするための窓のパッキンにも使われている」と、西村氏の黒鉛に対する思いがほとばしる。

ただ、いかんせん黒鉛の認知度が低いのが課題だという。「黒鉛には鉛という字が入っているがために、鉛の毒性を思い浮かべて敬遠する人もいるんです。まったく無害なんですが」。

黒鉛を扱って80年以上の歴史を誇る同社。黒鉛には天然の鉱石を精錬してつくる天然黒鉛と、人工的に合成してつくる人造黒鉛の2種類があるが、同社が特に力を注いできたのが、本来の特性をより発揮する天然黒鉛だ。

現在は数ヵ国から鉱石を仕入れているが品質にはばらつきがある。このため成分を分析しながら、いかに顧客の求める特性に合った材料を提示できるかが腕の見せどころであり、同社の強みだ。

また、鋳造時に流し込んだ鋳物を型からはがしやすくするための離型剤も開発するなど黒鉛加工品も多くそろえているのが特長だ。

枚方工場

黒鉛の認知度を上げるため、特に注力しているのが、異業種の企業や研究機関との連携だ。

その先に狙うのは新たな用途開発。「例えば、黒鉛の高い熱伝導性を生かして冷凍食品などの解凍時間を短縮することもできます。そういう用途をできるだけお客さまに気付いていただきたい」と西村氏。

現在は樹脂やゴム、セルロースナノファイバーなどに黒鉛を混ぜたサンプルも作成しているところだ。

今回出展する「高機能コート剤・添加剤フェア2018」では、こうしたサンプルを展示して潜在ニーズを掘り起こすほか、新たなコラボ先を開拓するのも目的だという。

代表取締役社長 西村 悟志氏

(取材・文/山口裕史)

≪西村黒鉛も出展!オススメイベント≫
【高機能コート剤・添加剤フェア2018】
新たな加工を可能にする高性能な工業用ケミカルで開発競争に打ち勝つ!

今回の展示商談会では、異材の接着や機能性を付加する塗料、そして加工精度を高めて工具寿命を伸ばす油剤など、豊富な機能をもつ加工薬剤や添加剤をもつ企業が出展します。新しい加工薬剤を活用して、製品の競争力を高めたいとお考えの方は、ぜひご来場ください。

2018年09月20日
西村黒鉛株式会社
代表取締役社長  
西村 悟志氏
事業内容/黒鉛原料および黒鉛加工品の製造・販売

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