「3時間の昼休憩」で仕事のパフォーマンスアップ
「当社はただいまシエスタ中です。ご連絡は午後4時以降にお願いします」――午後1時から4時の間、ITベンチャーのヒューゴに電話するとこんなアナウンスが流れる。「シエスタ」とはスペイン語で「昼寝」や「昼休憩」の意味。つまり午後から3時間も昼寝タイムがあるのだ。
日本の企業社会では仕事中に寝るのはタブーだが、「海外のビジネスパーソンは昼休憩を十分にとって高い成果を上げている。ならば自分たちも新しい働き方ができるのでは?」と考え、2007年からシエスタを社内制度として導入した。
3時間ガッツリ眠るわけではなく、昼寝は30分ほど。「効果はテキメンで、頭が冴えることで以降の仕事に集中でき、メンバーのケアレスミスが減りました」と中田社長。
昼寝以外の時間は昼食に加え、ジムや映画、ネイルサロンに行くなど各自好きなように過ごす。入社後約2年の石川氏は「仮眠後は読書にあてることが多いですね。午前の仕事を整理し、午後からのアイデアを練る時間にも使えます」。当初はなかなか寝られなかったが、「いまは昼寝がなくなるとキツい」と笑う。
シエスタ中は連絡が取れないので顧客対応が心配になるが、「昼休憩の話題でクライアントとの距離が縮まり、仕事がスムーズに進むことも多い」とのこと。さらに業績も右肩上がりを続ける。
中田社長は「3時間を有意義に過ごすためには自己管理能力が問われる。社員にはシエスタを自らのマネジメントに活かし、人生を充実させてほしいですね」と語る。
▲代表取締役 中田 大輔氏
(文・写真/高橋武男)