Bplatz press

トップが社員の幸せを本気になって考えているか

2014.06.09

当社はクラブ活動のノリのような感じでスタートしたんです。現社長の父が創業時に決めたのは、「楽しく働き、お客様に喜んでもらって、会社が少しでも儲かればそれでいい」ということ。最初は部署も役職もありませんでした。どうやったらスタッフが楽しく働けるか、どうやったらお客さんとの絆を深められるか、そればかり考えてやってきましたね。

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今は事業計画や人事考課などすべて数値化して管理していますが、社内の風通しはいいと思います。底抜けに明るい社員たちが志を共にし、まるで家族のようにワイワイ楽しく働いている。おかげさまで業績も右肩上がりで、創業16年で売上70億円、従業員230人規模の会社にまで成長することができました。

でも規模が大きくなるほどマネジメントが必要になる。とくに社員数が増えてくると全社で理念を共有したり、企業文化を守ったりすることが難しくなります。うちでは、トップの頭の中にあることを文章化し、具体的な方向を指し示すうえで役立ったのは経営指針書です。全社員参加でつくるプロセスを通じてボトムアップの組織が実現し、社員のやる気や参画意識が会社の風土づくりに役立っています。

とはいえ、実際は失敗の連続ですよ。各部署の目標を数値化したアクションプランをつくったとき、社員にとっては自分で考えた計画ではないため、組織にやらされ感があったんです。そこで各部署のプランをメンバー全員で考えるようにした結果、「ここはこうしたい」と自主的に改善してくれるようになりました。

理念を共有しさえすれば、それを達成するための方法は違っていい―。経営陣が社員を信じて任せ切れば、みんな全力で応えてくれます。僕はこの会社に入るまでロクでもない人間だったし(笑)、偉そうなことが言えるわけでもない。ただただ社員を幸せにしたいだけです。クサいですけどね(笑)。

おかげさまでみんな楽しく働いてくれているので、離職率2%以下です。さらに当社の特長の一つは、縁故入社がとても多い点。社員が親戚や友人を紹介してくれるので採用にも困りません。すべては、社員が幸せに働いてくれているからだと思っています。

201406_tat01▲全20ページ。当初は会社としての最新トピックスがメインだったが、「TATの宝は社員」をコンセプトに社員や家族の情報をふんだんに掲載するようになった。

201406_tat02▲毎年改定する「経営指針書」。250ページにわたるが、わかりやすい文章、イラストで表現した将来ビジョンなど、本当に社員に伝えようとしている工夫が随所にみられる。

201406_tat03▲朝礼では全員で経営指針書に書かれている経営理念を唱和し、社員同士のハイタッチで締めくくる。

ロングインタビュー
部活動ノリでスタートした会社がいまや売上げ70億円。 それでも創業時の社風を守り続けている理由はこちら
→ https://bplatz.sansokan.jp/archives/2507

株式会社TAT

取締役副社長

髙野 芳樹氏

http://www.nailtat.com/

ネイリストやネイルサロン、スクール、専門学校などに材料を販売するネイル用品専門商社。“お役立ち”をキーワードにネイルサロン、スクールの顧客管理や来店促進などの運営面を助ける「ネイル業界支援業」も展開。