パッケージデザイン、だれでも簡単に
パッケージの3Dデザイン案をウェブ上で簡単に作り上げることができるサービス。それがAIパッケージャーだ。
紙箱から紙袋、包装紙までを扱い、登録不要かつ無料でだれもが使えるという“太っ腹”さもあいまって11月下旬のリリース以降、評判を呼んでいる。
「もちろん制作の発注も当社にしてもらえるのならうれしいですが、まずは多くの人に短時間でデザインができる便利さを感じてもらいたい」と山元氏はそのねらいを語る。
紙箱の企画・開発で63年前に創業し、ファブレスメーカーとして歩んできた。インターネット草創期の1990年代半ばからホームページを開設し、ネットを使った受注を着実に伸ばしていくとともに、ネットを通じ紙箱、紙袋メーカーから「うちの商品も扱ってほしい」との依頼が増え、品ぞろえを増やしていく。
ただ、2000年を境に同業者のネット活用が進み、競争が激化する。そこで貫いたのは「価格競争とは一線を画す」こと。問い合わせ後の丁寧な提案対応でリピーターを獲得している。
アイデア商品の数々も同社の強みだ。水の入ったペンを使い乾いたら何度も使える水ペン練習帳、紙相撲キット、紙製トロフィー…。「ただ、どれも突き抜けない。当社のファンを増やすにはどんな商品を開発すべきなのか」。
そんな悩みを抱え、昨年から社員をマーケティングの勉強会に送りだしたが、結果につながらない。困り果て外部の力を借りようと紹介された広告代理店の担当者からのひと言で目が覚めた。
「作り手の思いを込めた商品を送りだすプロダクトアウトより、買い手が必要とするものを提供するマーケットインの発想に切り替えないと」。たまたまその担当者が取引先とパッケージデザインのやり取りで苦労した経験を聞き、AIパッケージャーのアイデアが生まれた。
手っ取り早く売上げを増やすなら会員制で顧客を囲い込み、有料にする方法もあったが、「公共的にこのサイトを多くの方に使って頂き、当社を知ってもらいたい」と当初からその選択は頭になかったという。
今後は質問形式で利用者の用途を絞りながらふさわしいデザイン案を提示できるAI機能を付加していく予定だ。
≪AIパッケージャー≫ http://ai-packager.yamagen-net.com/
(取材・文/山口裕史)
≪山元紙包装社も出展!オススメイベント≫
紙のあれこれお悩み解決!【紙加工技術展2018】
特長ある原紙や紙製品、加工技術を持つ企業が出展し、大阪のものづくり企業の課題解決や技術革新に役立つ情報を提供!ペーパーレス時代と言われる逆境に、独自のアイディアや強みを持って市場で勝負する企業が集まる展示商談会です。