独立行政法人 日本貿易保険
新連載【そうだ 支援機関、いこう】
中小企業の商品開発や海外展開の支援に取り組む元金融マンの竹内 心作がお届けする連載コラム。海外展開やインバウンド市場に進出したい方に向けて、知っておくといざという時に役立つ情報を月1で紹介します。
「そうだ 京都、行こう」言わずと知れたJR東海の名コピーである。
このフレーズの秀逸さは、誰もが日本に京都があることを知っていながら、改めてその良さに思いが至った瞬間を端的に切り取った事にあるだろう。
中小企業の海外展開を支援する公的機関の存在もよく似たものだ。
あることは知られているが、忙しい日常でその良さは気づかれにくい。
本連載ではそんな公的機関にスポットを当て、「そうだ 支援機関、行こう」と一人でも多くの方に思っていただけるよう、使えるサービスや事業を解説していく。
第1回目は、独立行政法人 日本貿易保険を取り上げる。
名前のとおり海外展開に関する保険を扱う公的機関だ。
と言っても、民間の保険会社とは事業内容がまったく異なる。
民間が提供している保険は主に「海上保険」。商品や製品など“物”を対象としている。したがって海外に輸送途中で船が沈没するなどした場合、保険金が支払われる。
一方、日本貿易保険が提供するのは“取引”に対する保険。
日本国内の中小企業が外国の企業と取引を開始したものの、残念ながら外国企業が倒産した場合や3ヶ月以上、代金の支払いがない場合に保険金が支払われる(※注)。
中小企業の海外展開は信用リスクとの戦いだ。
見た事も聞いた事もない外国の企業と取引をするケースも少なくない。
この保険がどれ程心強い物か、よくわかっていただけると思う。
「備えあれば憂いなし」「転ばぬ先の杖」
日本には準備を怠るな、という戒めの言葉が多い。
華やかな海外展開に漕ぎ出す前に、今一度万全の準備ができているか否か、見直してみてはいかがだろうか。
※注:条件の詳細はホームページで要確認。また、本件以外にも日本貿易保険が提供しているサービスは多くある。
(取材・文/大阪産業創造館 マーケティング支援チーム シニアプランナー 兼 中小企業応援団事業/海外展開支援事業 統括責任者 竹内 心作)
【公的機関データ】
独立行政法人 日本貿易保険
http://nexi.go.jp/
大阪支店:大阪府大阪市中央区北浜3-1-22 あいおいニッセイ同和損保 淀屋橋ビル8階
Tel. 06-6233-4019
今回、紹介した独立行政法人 日本貿易保険のほか、一般社団法人 日本商事仲裁協会、株式会社 日本政策金融公庫の担当者が海外ビジネスで起こり得るリスクをマネジメントする方法をお伝えします。
知ると知らないでは大違いですよ~。
12月21日開催【パネルディスカッション】海外ビジネスに公的支援を活用しよう(リスク管理編)
独立行政法人 日本貿易保険