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トランス設計のプロ集団が築く、伴走型ものづくり

2026.03.05

家電から大型機械まで、電気で動くものには電源があり、その電源にはトランス(変圧器)が欠かせない。電気製品の小型化と高性能化が進む中、トランスにも同様の進化が求められ、設計も日々アップデートされている。こうした環境下で大きな存在感を示しているのが、トランスの設計・開発で独自のポジションを築いてきた株式会社アルファトランスだ。

1997年に大手商社の子会社としてスタートし、2006年に分離独立。ファブレスメーカーとして設計と試作に特化し、量産が決まれば中国のパートナー工場へ製造を委託する。そんな同社の強みは、日々生まれる新たな設計ニーズへの対応力にある。「トランスはあらゆる電気製品に使われるため、その形状も千差万別です。標準品ではケースに収まらなかったり、必要な絶縁距離がとれなかったりすることも多く、そのたびに新たな設計のトランスが求められます。それに応えるべく、お客さまが求める仕様に合わせたオリジナルのトランスを、できるだけ迅速に試作できるのが私たちの強みです」と代表の角田氏は語る。

電源トランス業界ではいち早くボビンの試作に3Dプリンターを活用し、その迅速な対応が優位性を築くきっかけとなった。近年は3Dプリンターによる試作も一般化し「この強みは薄れてきた」と語るが、依然として同社には競争力がある。それは「経験」だ。「電源技術は『アナログ技術』といわれますが、ソフトウェアのように何度も作り直せるものではないため、経験に裏打ちされた設計センスが求められます。その点で、弊社にはメーカーでの開発経験が豊富な人材が揃っており、お客さまもそこに価値を感じていただいています」と角田氏。

特に同社の技術者は、トランスだけでなく電源そのものの開発経験を有しているため、安全性や電気効率をより深く理解した提案が可能だ。この強みを生かし、同社はメーカーのモデルチェンジや新機種開発にパートナーとして寄り添い、長期的に伴走支援するスタイルを重視している。そしてこの伴走スタイルは、電源技術者の不足という環境変化もあり、価値が高まりつつあるという。

「最近は電源設計に対応できる人材が減っており、お客さまも悩んでいます。そのため、私たちのサポートが必要となるシーンも増えると考えています。もちろん、弊社にとっても技術者不足は課題ですので、これまでの経験を生かして人材育成には力を入れていきます」と展望を語る。

「小型、低背、高性能は当たり前」といわれる今、さらなる薄型化を求めた巻線を基板パターンで置き換えたプレーナートランスなど、新たな設計も生まれている。しかし、同社が重視しているのはあくまで「伴走する価値」の追求だ。「私たちの強みである電源設計の経験とノウハウを生かし、今後は電源ユニットの開発支援にも力を入れていきたいと考えています。AIデータセンターなど、参入できる市場はまだまだ広がっています。また、技術者の不足で製品開発に課題を抱えるメーカーは今後も増えていくと見ています。弊社の経験とカスタム設計への対応力、そしてお客さまに伴走するスタイルが価値を発揮する場面は、今後も着実に生まれていくと考えています」。

代表取締役 角田 卓也氏

(取材・文/福希楽喜)

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株式会社アルファトランス

代表取締役

角田 卓也氏

https://alphatrans.co.jp

事業内容/トランス、スイッチング電源、関連部品の設計開発・製造