起業・ベンチャー

医療の専門家が妊産婦のエクササイズをサポート

2024.11.27

妊娠・出産は人生の中で最も幸せな経験のひとつ。しかし、その影で高血圧や糖尿病、うつなどの妊娠合併症に苦しむ妊産婦は少なくない。命懸けの時期に、家族以外にも頼りになる存在がいれば…。そんな切実なニーズに応えているのが、産前産後に特化したピラティススタジオ「maemo atomo」だ。インストラクターは全員が医療資格を保有している。助産師や理学療法士が、安全な妊娠や出産、産後回復のための適切な運動を提供し、妊産婦をサポートする。

同社を立ち上げたのが、助産師の西山氏。これまで約800人の赤ちゃんの誕生に立ち会ってきた。健康な方でも出産によって命の危機に瀕する現場を目の当たりにし、創業を決意。「妊娠中の運動が有効だと知られていても、具体的な指導法はまだ確立していません。助産師仲間に事業の構想を話してみると、みんな前のめりに聞いてくれて。必要性を確信し、起業しました」。

事業の傍ら⼤阪⼤学⼤学院医学研究科で「妊娠中の⾝体活動と産科合併症の関連」についての研究を⾏う西山氏。ピラティスをベースとした有酸素運動、筋力アップのためのレジスタンストレーニング、柔軟性を高めるストレッチを組み合わせ、最新の科学的エビデンスを活用しながらプログラムを構成する。レッスン前後にはメディカルチェックを実施し、産婦人科医、整形外科医とも提携。経過を把握しながら安全に運動ができるよう、オーダーメイドで提案している。

妊娠中に適切なサポートを受けることにより、出産時のトラブルや恐怖心を軽減

現在、会員数は約500名。パーソナルエクササイズ以外にも、妊娠週数の近い会員同士で取り組むグループエクササイズや、里帰りでスタジオに通えなくなった方のためのオンラインプログラムも展開。75%の会員が出産後もレッスンを継続し、ダメージを受けた体と不安定になりがちなメンタルのケアに役立てている。

『maemo atomoが安産のお守りがわりになった』という声が寄せられるたび、もっと多くの人にサービスを届けたいという思いが湧きあがる、と西山氏。現在、大阪で2拠点のスタジオを運営、今後は全国で展開する計画だ。「定期的にお会いすることで信頼関係が生まれ、メンタル面まで支えることができます。普段、出会うことの少ない医療者に、カラダやココロの悩みを気軽に相談できる場になれば」。

情報が多すぎて調べるほど不安になる、そんな妊娠・出産期間を医学的知識と経験でサポート。不安な気持ちにきめ細かく寄り添いながら、未来を育てる女性の健康を支えていく。

CEO 西山 夏実氏

(取材・文/北浦あかね)

 

maemo atomoも認定された【大阪トップランナー育成事業】とは

大阪トップランナー育成事業は、医療・介護・健康分野等において、新たな需要の創出が期待できる製品・サービスの事業化に向けてプロジェクトのブラッシュアップをサポート!さらに認定されたプロジェクトは、きめ細やかな個別支援を行い、市場化までを徹底的にサポートしています。
https://www.osaka-toprunner.jp

◎maemo atomoの詳しいページは↓コチラ↓
https://www.osaka-toprunner.jp/project/introduce/maemo-atomo-studio

株式会社maemo atomo

CEO

西山 夏実氏

https://maemo-atomo-studio.com

事業内容/産前産後に特化したピラティススタジオの運営