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【あぁ、麗しのファミリービジネス】Vol.6 「100年続く会社」に見る「日本的イノベーション」

100年続く会社と聞いて、保守的だとか、古い経営体質だとかのイメージを持っている人も多いかもしれません。でも私は多くの長寿企業を取材してきて、「歴史が長い企業のほうがむしろ挑戦を続けている」と思うようになりました。

100年間社会から必要とされる会社であったこと。
100年間にバトンをつないだ経営者の方々が社会から必要とされる会社にしてきたこと。
でも100年前、50年前、10年前・・・そして1年前ですら社会の在り様は違う。
時代に合わせて、社会から必要とされる商いへと、変革を続けた結果が百年という歴史になったということです。

100年以上続く会社は、ヨーロッパ全体で6000社、米国で800社、そして日本はなんと約27000社に上ります。99%が中小企業、そして95%が同族経営と言われる日本で、ファミリーで企業を長期にわたって存続させてきた背景には何があるのか。私は二つのことがあげられると思っています。

まず第一に日本人の国民性です。「イノベーティブな精神が欠落していて、起業家がなかなか誕生しない」とネガティブに語られることが多い日本人。でも!私は「今あるものを進化させる能力」が他国と比べて圧倒的に卓越している国民だと思っています。一般的にイノベーションが語られるときに、シリコンバレーなどの起業家が発明した製品だけがその象徴のように語られていますが、本来の意味に立ち返ると日本はまさにイノベーションに溢れている。そして、その多くは、歴史ある中小企業から生み出されたものです。

何もないところからビジネスを起こす機動力や突破力、つまり0を1にするのは苦手かもしれない。でも、先代から引き継いだ経営資源をベースに、その時代時代に合わせて業態を変えたり、技術を進化させたり、ノウハウを仕組み化したり・・・受け継いだ経営資源を利用して新しい価値を生み出す、つまり1から100にするのは世界一得意なんじゃないかと。これはもう、胸を張って世界に誇れる国民性です。

そして、もうひとつは家族への愛と敬意です。「じいさんが創業した会社を自分の代で潰すわけにはいかない」、「子どもにはいい経営状態にして引き継ぎたい」など、家族への愛が原動力となって、経営者に覚悟が生まれ、経営基盤を安定させ、事業を成長させる。商いとは感情を持つ人間の営みです。事業や会社を金融価値に置き換えて売却してしまうことが多い諸外国では、しんどい時に誰かのために踏ん張るという「人間の動機づけ」が弱いために、結果的に技術やノウハウが存続されにくいのかもしれません。

いずれにせよ、資源もない小さな島国が経済大国として発展してきたのは、日本人が世界に誇る国民性と、ファミリーへの愛が最大のファクターではないでしょうか。
そして、事業承継で受け継ぐ経営資源は一つではありません。会社、事業、技術、ノウハウ、レシピ、製品、販路、仕入れ先・・・今ある資源を徹底的に見極め、新しい価値を創造していくイノベーティブな経営者がどんどん誕生する限り、日本の未来を憂うことはありません。
(Bplatz press編集長 山野千枝)

<参考>
※wikipedia「イノベーション」より転載
イノベーション(innovation)とは、物事の「新結合」「新機軸」「新しい切り口」「新しい捉え方」「新しい活用法」(を創造する行為)のこと。一般には新しい技術の発明と誤解されているが、それだけでなく新しいアイデアから社会的意義のある新たな価値を創造し、社会的に大きな変化を齎す自発的な人・組織・社会の幅広い変革を意味する。つまり、それまでのモノ・仕組みなどに対して全く新しい技術や考え方を取り入れて新たな価値を生み出して社会的に大きな変化を起こすことを指す。

※Bplatz press Vol.148「百年企業~なにを守り なにを変えるのか」

※東京商工リサーチ 全国「老舗企業」調査

yamano

2013年05月17日
大阪産業創造館
「Bplatz press」編集長  山野 千枝

本紙「Bplatz press」編集長。数多くの中小企業を取材する中で、家業を受け継ぎ事業を展開する経営者の生き様に美学を感じる一方、昨今の後継者不在問題を憂いて「ファミリービジネスの事業承継」をテーマに、現役の後継社長とともに関西学院大学、甲南大学で教鞭をとる。実家も四代続くファミリービジネス。

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