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まさに革命! 昆布の新たな使い方を開発

昆布商品
江戸時代以降、「天下の台所」といわれるゆえんで、北海道の産物の一つ、昆布の文化も大阪で花開くことになる。ところが近年、食卓の昆布離れが進み、大阪の昆布問屋の数は最盛期の3分の1に減少。「このままいくと業界がなくなる。なんとかせなあかん」―。そんな危機感のもとに立ち上がったのが、天満大阪昆布の喜多條氏だ。

だし昆布を使わなくなった理由を消費者に聞くと、「だしの取り方が難しい」「和食を家でつくらなくなった」「だしガラを捨てるのがもったいない」の3点に集約された。「ならばその3つを解決すれば、昆布の消費量を増やせるのでは」。そんな逆転の発想で、新たなだし昆布の開発が始まった。

だしの取り方を研究する一方、だしガラを利用しやすいよう1mmの短冊状に加工。すると面白い発見があった。「細く切った昆布を使うと、普通の板昆布より濃いだしが取れることがわかったんです」。日本食品分析センターで分析すると、1mmに刻んだ昆布のほうが、板昆布よりうま味(グルタミン酸)が37%アップすると判明。うま味は昆布の表面から出るのが常識とされてきたが、断面から出ていることが解明されたのだ。

この「常識の大転換」で商品開発が加速する。だしが出やすいため水出しで試してみると、3時間冷蔵庫に寝かせるだけで昆布水(昆布だし)ができ上がった。その昆布水を料理に使うと、「和洋中、どんな料理も抜群に美味しくなる」。さらにきざんであるため、だしガラをオリーブオイルや醤油で漬けると美味な逸品に早変わり。「これでだし昆布が敬遠される3つを解決できた。細く切るだけで、万能昆布に生まれ変わったんです」。

2012年、1mmのきざみ昆布を「昆布革命」と命名して売り出したところ、TV番組に取り上げられて話題となり、いまや年間50万個を販売するヒット商品に。「私が力を入れたのは商品開発ではなく、『使い方』の開発。昆布の新しい使い方を食の都・大阪から配信し、一人でも多くの人に昆布の美味しさと健康を届けたい」。現在は、中国に向けた商品も開発中だ。「海外進出が目的じゃない。結果、日本にフィードバックされて食文化に貢献することです」。これからも大阪から「革命」を起こす。

講演会
▲2014年1月ニューヨークでの「昆布会」の様子。「昆布の使い方を国内外の人に提案するのが私の使命」と語る同氏は現在、国内で年間100回以上、海外でも年間10回ほど講演に飛び回る。

昆布水イメージ
▲昆布水の良さは「美味しさ」と「健康」。昆布のうま味が料理の味を引き立てると同時に、塩分・糖分を抑えられることから健康にも一役買う。

昆布フェイスブック
▲調理師免許を持つ喜多條氏自ら、昆布水を使ったレシピを続々提案中。Facebookでも毎日発信する。

【失敗秘話】「ニッチ過ぎる」商品は売るのが難しい?!

「ニッチ過ぎる商品を開発すると、思っていた以上に売れないことが多い」という。たとえば、得意客の要望に応えて無添加昆布を販売したところ、まったく売れなかった。「無添加を求める一部の人の声の大きさと、実際の需要がイコールではなかったのが原因」と分析する。「社会のニーズに応える無添加商品を手がけるという方向性を持ちながらも、ハンドルはゆっくり切るべし」、そんな教訓になった。

ホップ青

昆布社長

代表取締役 喜多條 清光氏

(取材・文/高橋武男)

2015年06月09日
株式会社天満大阪昆布
代表取締役  
喜多條 清光氏

設立/1987年 資本金/1,000万円 従業員数/5名 事業内容/大阪天神橋に店舗を構える昆布問屋。羅臼昆布を始め様々な昆布製品を取り扱うほか、松茸昆布やいかなごくぎ煮など原材料としての昆布以外の商品も販売する。

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