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「ルールより気持ち」で拓いた仏壇マーケット

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3000億円ともいわれる仏壇市場の中で今シェアを着実に増やしているのが、現代の住居、インテリアと調和するデザイン、機能を取り入れた「都市型仏壇」と呼ばれるジャンル。この「都市型仏壇」を30年前に切り拓いたのが八木研だ。

八木研の社名に残る「研」の字は金属などを磨く研磨材メーカーとして創業したことによる。その顧客の一つが金属製の仏壇、仏具をきれいにするために研磨剤を使っていた仏壇店だった。問屋を飛び越えて仏壇店に金属研磨剤以外で必要とされているものはないかと通ううちにリンを鳴らす木製のリン棒、仏壇を飾るプラスチック製の屋根など商品の幅が広がっていった。

満を持して仏壇製造に乗り出したのは1984年のこと。「畳の部屋からじゅうたんへと住居のスタイルが変わる中で、仏壇だけは昔のまま。当事社長だった父が新しい仏壇のかたちを世に問うた」と八木氏。

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年間の利益額をつぎ込んで家具調仏壇を500基生産したが、その年に売れたのはたった3基。翌年、思い切って外観の仏壇色を排し白・黒・ナチュラルブラウンのカラーを使ったコンパクトな商品を出したところこれが大当たりした。だが、その後も事業は一進一退が続く。

大きな壁となった一つが、現場でのお坊さんからの拒否で、「この仏壇では拝めない」と言われたお客様から引き取ったこともあったという。

平成2年。コンセプトを練り直すため商品開発を1年間止めた。紐解いたのは民俗学者の柳田國男氏の著作。「日本に仏教が伝わるはるか前から住まいに魂棚(たまだな)と呼ばれる棚を設け、先祖の霊を祀っていた」。

つまり「大事なのはルールよりも手を合わせる気持ち」ととらえ、今までは寺院のミニチュアとして捉えていた仏壇を新たに先祖を祀るステージであるとスタンスを切り替え、翌年新たに「現代仏壇」のブランドで商品を一新。広いスペースにゆったりと商品を並べ、故人への思い、住居の形態、宗派などについてコンサルティングをしながら商品選びができるようショールームも設けた。

ライフスタイルの変化や潜在ニーズを先取りし、ステンドグラスを配したり、壁掛式にしたり、キャスターをつけたり、と毎年のように新たな風を送りこむ。「現代仏壇」が掲げる自由なスタイルに基づいた祀り方にひかれ、仏壇を置くことを決めた若い世代も増えているという。

「ほうっておけば縮小するマーケットを自分たちが少しでも食い止める役割を果たせている」と八木氏。「これからも常にチェンジリーダーでありたい」と、「都市型仏壇」のマーケットでさっそうと先頭を走り続けていく。

yagiken_room▲ブティック風にしつらえられた現代仏壇のショールーム兼店舗。

yagiken_butudan▲仏像や位牌を天面スペースで祀る「アルデバラン」。

yagiken_oldcatalog▲「現在仏壇」の先駆けとなった約30年前に出したパンフレット。

yagiken_catalog▲毎年、新しいテーマでリリースしているカタログ。

▼【ロングインタビュー】「都市型仏壇」の先駆者、新たな祀り方を提唱
http://bplatz.sansokan.jp/archives/1960

 

2014年03月07日
株式会社八木研
取締役社長  
八木 龍一氏
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