めざすは樹脂化工のワンストップサービス
樹脂の押出成形化工を手がける。中でも得意とするのはエラストマなど軟質材の押出成形化工だ。工場をのぞいた。年季の入った押出機から、溶かしたペレットを金型に通して成型された樹脂が延々と送り出されている。「穴に押して出てくるところてんのイメージを思い浮かべるとわかりやすい」と山木氏。
オフィス家具や自動車部品の緩衝材をはじめ、オーダーメイドでさまざまな注文が舞い込む。成型後には特殊な器具を使って最終の形にするための細工を加えなければならない。また、冷却時に極端に収縮する素材もあるため、あらかじめ織り込んで金型を作る必要がある。
「押出成型化工はシンプルゆえに教科書がない。だからこそ工場、人によってやり方が異なる。とくに軟質材は硬質材と比べ化工がよりシンプルがゆえ、オペレーターのノウハウのウエイトが高く、技能者の経験がものを言う世界」だ。
「引き受けたら投げ出さない」がモットー。医療器具に使われる部材のほか、接ぎ木のつなぎ目を保護するための農業資材など、新たな分野の開拓を怠らない。「知られていないだけでまだまだ押出成型化工が使える分野はたくさんある」と感じている。
目標に掲げるのは「究極の下請け」だ。「来た仕事はできるだけ自社でチャレンジしながらも、できない化工については射出成形も含め、それぞれ得意分野に精通している樹脂化工業者にお願いする」。樹脂化工のことなら大淀に任せれば、といってもらえる会社になるのがめざす姿だ。
(文・写真/山口裕史)