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水をまいたら芽が出てくる種つきの紙製タグをつくれないだろうか。中村氏が「エコ・タッグ」の原型となるアイデアを思いついたのは7年前のことだ。服の襟元などについているブランドタグの織ネームをはじめワッペン、ボタンなどのアパレル副資材からノベルティグッズまで幅広く扱ってきたが、顧客の製造委託先が中国にシフトし事業の先細りは目に見えていた。「持っているノウハウを生かして、今の時代に合わせた特長あるビジネスを」と模索するうちに思いついたのが「エコ・タッグ」だ。種は熱や圧力、水分などの環境の影響を受けやすく、傷みやすいことがわかった。とことんまで薄くした和紙に種を挟み込んでみたが、繊維が密で芽が紙を突き破れない。一旦は開発をあきらめた中村氏だったが、以前に種つきタグのアイデアをあちこちに披露していた先のある靴下メーカーが「あの話どうなった。今ならタグにぜひ使いたい」と言ってきた。あてはなかったが「すぐにつくります」と二つ返事ではったりをかました。尻に火がつくと行動は速かった。種苗メーカーに協力を求め丈夫な種の供給先を確保する一方で、20種類の水溶性の紙を試して芽が出やすい紙を選び、1万5千個の受注にこぎつけた。だが、なかなか後が続かなかった・・・。(P8に続く)株式会社マーク代表取締役中村正樹氏http://www.mark-kk.co.jp/※写真はイメージです信金さんの「この会社に惚れました」商品タグから芽が生えた!1602014.05