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キンパイ商事株式会社代表取締役社長小川博氏http://www.kinpai.jp/会社DATA設立/1979年従業員/67名事業内容/消防用ホースのほか救助工作車、救助用機材、救助服など防災関連用品の販売。これらの製品を製造する帝国繊維の100%子会社。株式会社ギャラクシーエージェンシー代表取締役社長CEO金谷元気氏http://galaxy-agency.co.jp/会社DATA設立/2009年従業員/46名事業内容/東京、大阪のエリア限定求人サイト、SNSを活用したアルバイト求人サイト、飲み会マッチングアプリの運営。昨年4月から2ヶ月に1回「シャッフル飲み会」を行っている。社長も含めた46人の社員をランダムに8つのグループに分け、グループごとに飲みに行く。自由参加だが、1人当たりの3千円の会費を会社負担としたことで参加率は98%と高い。ふだん言葉を交わす機会がなかった社員同士がざっくばらんに話してみると、共通の趣味を持つ社員が多いことがわかり、5月からは月2万円の活動費を支給するクラブ活動の支援もスタート。アフター7のギター、サッカー、ジョギングを通して社員同士の連帯感も強まり、一人ひとりの積極性も高まった。「入社してからほとんどしゃべらず、営業成績もぱっとしなかったある男性社員が、実は他の社員を思う気持ちが強く、おもしろいヤツだとわかった」と金谷氏。現在は“いじられキャラ”として社員、取引先にも愛され、四半期の社内MVPにも選ばれた。シャッフル飲み会を始めたきっかけは、「幹部社員で“なくてはならぬサービスをつくる会社に”というビジョンを定めたものの、なかなか社員全員に浸透しなかった。幹部社員と社員に距離があると感じたから」。今では金谷氏にフランクに話しかけてくる社員も増え、手ごたえを実感している。10月からは「ビジネスのネタは困りごとから」▲営業事務を担当するのはすべて女性。「こういう商品ある?」「いつ納品できる?」と言った問い合わせにてきぱきと答える。を合言葉に、社員それぞれの「不便、もしくは困っていると感じていること」を模造紙に書き出してもらっている。200を超えるつぶやきの中から「駐車場探しに苦労している」という悩みをもとに、全国各地にある月極駐車場の空車スペースをスマホから検索し一時利用できるサービスを2月から事業化する。「現在の主力事業は求人サービスだが、そこに固執するつもりは全くない」という金谷氏。「なくてはならぬサービスをつくる会社」へと近づきつつある。“シャッフル飲み会”きっかけに、売上げアップ、新規事業…?日に日に増える「不便なこと、困りごと」の書き込み。?シャッフル飲み会は社員同士新たな一面を知る機会になっている。▼クラブ活動は上司、部下の壁を取り払うことにもつながっている。女性社員の活躍が業績を支えている会社は多い。キンパイ商事では複数の得意先を男性の営業担当と女性の営業事務がペアとなって担当している。得意先を回る営業担当に対し、営業事務は内勤で得意先からの問い合わせや注文に応える。だが、販売する商品は、消防用ホースや救助工作車を扱う消防用品から、テロ対策機器をも含む災害対策用品まで専門的で幅広く、商品知識を覚えるまでに数年はかかる。「得意先の質問に答えられず泣きながら電話をしていた営業事務の女性スタッフが3年も経つと営業担当を差し置いてあなたでないと注文したくないと言われるまでになる」そうで、「得意先から信頼されているという実感こそ働き続ける原動力になっている」と分析する。同社では「できるだけ長く働き続けてほしい」という思いのもと、すべての従業員を正社員として採用。成績優秀な営業担当が表彰される時には、裏で支えた営業事務の女性スタッフをバックアップ賞として称えることも忘れない。こうして成長していく女性社員は結婚、育児で休職することがあってもほとんどが復職している。保育園の送迎が必要な期間中、限られた時間で効率的に仕事を片付けるために改善・工夫、努力する姿勢は「他の社員に大いに刺激を与えている」という。社員同士が集まる懇親会や部門ごとに開く食事会の場は子連れOK。子どものことを心配することなく参加できるのも「ごく当たり前のこと」だ。現在、同社では50代、40代の2人の女性が課長として営業事務チームを引っ張り、30、40代の5人の課長代理が後に続き、若い社員のロールモデルになっている。女性社員がいきいき働く姿が全社員の刺激に06