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▲伝統の染色技術をつかって染められた毛束のサンプル。「僕は学生時代からちょっと変やったんです(笑)」と淡々と語る阪口氏。大阪芸大時代から、フリーでグラフィックデザインの仕事をする傍ら、テレビ番組の制作や、フリーペーパー発行など異色の経歴を持つ。2000年に卒業後は、社会人としての経験を積むために1年限定で企業に就職。そこで学んだ経験を活かすため、次に選んだ道は美容室チェーンだった。「学生時代に発行していたフリーペーパーにメリットもないのに広告を出し続けてくれたオーナーさんに恩返しがしたくて。経営企画に参画させてもらえるようお願いし、無理言って働かせてもらったんです」。その際、自ら厳しい条件を課した。年商1億だった会社の業績を3年で12億に倍増させる経営計画を作成。「1回でも達成できなければ辞める」と宣言したのだ。結果、1年目に3億円、2年目に6億円と計画通り倍増させ、3年目は9億円と計画には届かなかったものの、業績向上に大きく貢献した。なぜここまで年商を拡大できたのか。理由は、当時流行り始めていたヘアエクステンションとの出合いだった。「美容室は髪を切る店。でもこの技術を使えば『髪を伸ばす店』という新しい業態が生まれる」と考え、エクステを主力製品として事業化。百貨店や商業施設に向けて、デッドスペースを活用したエクステ専門店開設を提案。独創的なアイデアで15店舗まで増やし、事業を急成長させたのだ。恩返しを果たした同氏が次に選択したのが起業だ。すでにエクステを扱う競合店は増えていたが、「自分がサプライヤーになれば競合が顧客に変わる」と商機を見出し、2003年に起業。3年後に47都道府県すべてに販売網を持ち、ヘアエクステンションメーカーとしてトップシェアを獲得した。そして現在、同氏は次なる壮大なビジョンを描いている。「現在のヘア関連商材は化学薬品の塊。完全に天然な製品をつくりたい」とアジア某国の密林で伝統の染色技術を活用したカラーリング商品を開発中だ(来年に発売開始予定)。夢は「自然環境と共生しながら発展できる業態をつくりあげること」。社名のとおり、東洋から世界へ「未来へつながる」ビジネスを拡げていく考えだ。設立/2003年従業員数/10名事業内容/美容商材の開発・販売を行う。現在、完全無添加のシャンプー、ヘアカラー剤を開発中。フロムファーイースト株式会社代表取締役社長阪口竜也氏http://ffei.jp/紙面では紹介しきれなかったロングインタビューはこちら?http://bplatz.sansokan.jp/archives/1526