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新規性、成長性などの観点から、大阪市の認定を受けたプロジェクトを対象に、市場投入まで一気通貫でコーディネータが伴走し、各プロジェクトごとに結成されたオーダーメイドのチームがきめ細かな個別支援を行う。健康・医療・介護・エネルギー等を中心とした成長産業分野の新たな製品・サービスの開発・市場化をめざすプロジェクトのブラッシュアップ、事業化に向けた課題の洗い出しや解決策の検討を無料でサポート。トップランナー育成事業とは未来のパイオニア企業を大阪から輩出する大阪トップランナープロジェクトご相談に来られた時に、同社の木幡社長の「新しい分野に挑戦しよう」という強い意気込みを感じました。既に、丁寧な調査も進めていたようですが、医学的な見地からの情報が不足していたため、呼吸器系の医師との情報交換の場を提供し、医療現場で必要とされる機能のブラッシュアップをしてきました。今後は、リハビリ機器としても必要となる機能も洗いだした上で仕様の策定を進め、試作機開発、製品化、販路開拓など順次サポートしていきます。Cコラボスollabo’S316コーディネータ小泉智史同社がもともと開発していた機械式呼気圧計をベースに、呼吸の流量を同時に計測できる機能やデータを記録する機能を付加することでデジタル呼吸計測器に進化させるのが今回のプロジェクトの目標だ。呼吸の流量と圧力を同時に測れる装置はこれまでになかったため、肺がんや慢性閉塞性肺疾患等の早期発見のための診断機器として医療機関での導入が期待される。また、嚥下障害や口腔疾患の患者に向けたリハビリや疾病予防対策を行う専門機関や研究機関などでも利用が見込まれる。今後は、医療現場のスタッフへの詳細なヒアリングをもとに量産を見据えた試作品を開発し、仕様を策定する。また、同計測器を活用したリハビリ手法も確立することで、普及に努める構えだ。株式会社木幡計器製作所?http://www.kobata.co.jp/「呼吸の量と圧を同時に測る」携帯型デジタル呼吸計測器を開発株式会社木幡計器製作所私が事業化をサポートしますデジタル呼吸計測器※イメージ図機械式呼気圧計進化医療機関や研究機関へ導入予定肺がん等を早期発見するための診断機器嚥下障害等の患者に向けたリハビリ機器医療現場からのニーズ弁当で定番の醤油差しといえば…すぐ思い浮かぶのがあの「魚」だろう。その名も「ランチャーム」。誕生のきっかけは1954年に遡る。創業者の渡辺輝夫氏が経済新聞を読んでいた際、「これからはポリエチレンの時代になる」と確信し、醤油の容器をつくろうと閃いたのだ。当時の醤油差しはガラスか陶器で割れると危険で、コストも高かった。「ポリエチレンで醤油差しをつくれば安価で安全。消耗品なので絶対に売れるはず」と考えた。とはいえ、当時は成形機などない時代。手づくりの型枠にポリエチレンチューブを流し込み、醤油を充填する方法を試すなど、想像力を働かせて機械づくりに没頭した。また当初、容器の形状は筒状で進めていたが、寿司の持ち帰りを意識して「魚」に変更。寿司といえば魚、魚といえば鯛…そうやって鯛をモチーフにし、ついに数年後に成形機が完成。誕生した商品は、ランチとチャーミングの造語「ランチャーム」に決めた。全国展開を見据え、福山から大阪に家族総出で来阪。「大阪は食文化が発達し、販路を広げるためにも最適地と考えたようです」と慶二氏。1957年に西成区で創業し、ランチャームの製造が始まった。全国展開のきっかけは「駅弁」だ。「鉄道網の整備と共に駅弁が普及し、ランチャームを採用してもらったそうです」。次いで百貨店からの引き合いが契機となり、日本各地から注文が殺到。全国規模での本格展開につながった。現在は日本だけでなく、韓国や北欧など海外でも展開。地場の醤油メーカーとの共同開発にも注力し、ランチャームを核に事業の幅を広げている。弁当のあの「魚」が誕生し、全国に広まった理由とは?!連載株式会社旭創業代表取締役社長渡辺慶二氏http://www.asahi-so.co.jp/会社DATA設立/1960年資本金/3,200万円従業員数/108名事業内容/魚形状の醤油差しを日本で初めて開発・販売。弁当用の造花や、調理用手袋などの衛生関連商品、とうもろこしでつくった爪楊枝などの環境配慮商品、現場のコストダウン提案など「食」を軸に広く事業を展開している。▲各地の方言をクイズ形式で印刷したフィルムタイプのランチャーム「大豆ぼうや」は社員のアイデアを機に商品化。▲現在は「魚」のサイズだけでも5種類。ブタやひょうたんなどの他の形状に加えて、金や銀などの特別色も展開。vol.0109