■ページ本文テキスト■

独自技術を持つ大阪市内企業の技術的課題や販路開拓の悩みを解決する「ビジネスチャンス倍増プロジェクト」。技術者として第一線で活躍してきた企業OBが仲介役となって、各企業のニーズにあうマッチング先を紹介した事例をピックアップ!ビジネスチャンス倍増プロジェクト中小製造業に技術提携先・販路を紹介大阪産業創造館創業者が1956年に世界で初めて刃を折るタイプのカッターを開発し、1967年に同社を設立。以降、カッターひと筋で歩み続け、素材、用途ごとに特化した商品群は今や100を超える。商品開発は試行錯誤を重ね手作りで試作品に落とし込んだのち、図面設計、3D加工機で確認し仕上げていく。「オルファの商品は刃物であり手道具なので、安全性、機能性を考慮し、長期使用に耐える様出来る限りシンプルで頑丈に作る事を心掛けている。また、商品を作る上で、各部品のクオリティーは非常に重要」。と増田氏は力を込める。6年前、細かい作業で使うアートナイフの高級品を企画。その際、刃をはさんで固定させる先端の金具部品を作るダイカスト加工業者を、産創館を通じて紹介を受けた。「当時オルファでは、ダイカストを使用した商品が少なかったが、重厚感、高強度といった点で魅力を感じており、更に充実させたいと考えていた」。技術力、品質、コスト、納期対応などを見極め、取引するかどうかを判断するが、さらにこの会社の場合大きな決め手となったのが「社長の人間性」だった。「こちらの要望に対してレスポンスが速く、なんとかオルファ商品にダイカスト部品を採用、継続的な取引に応えようと真摯に考えてくださる姿勢が伝わってきた」。と増田氏。アートナイフ以降すでに4つの商品の部品製造を依頼し、継続的な取引につながっている。とくに昨年商品化したカッターの刃を安全に折ることができる「ポキステーション」は今年の日本文具大賞で優秀賞を受賞し、ヒット商品に育つ可能性を秘める。売上げの約半分を輸出が占める「OLFA」ブランドを世界でさらに高めるため、妥協なきものづくりが続く。カッターナイフ製造のオルファとダイカスト加工業者をマッチング。オルファの求める品質、コストに応えマッチングが実現。以降継続的な取引につながっている。オルファ株式会社製品開発部マネージャー増田稔氏(左)http://www.olfa.co.jp/会社DATE従業員数/88名設立/1967年事業内容/刃を折るタイプのカッターを発明し、その後、刃のサイズや角度は世界標準となった。定番のロングセラーのほか、布地用、開梱用などさまざまな用途のカッターも商品化している。?大阪産業創造館ナビゲーター石川健治氏(右)<マッチングまでの流れ>オルファから、アートナイフの新ラインナップ開発にあたって新たなダイカスト加工業者を探してほしいと打診があり、ナビゲーターのネットワークの中から加工業者を紹介。▼ペンタイプのアートナイフの部品のうち、刃をはさみ固定する金属部品の製造を加工業者に委託し「リミテッドAK」として商品化。デザイナーを中心に好評を得る。▼ダイカスト加工業者に部品製造を委託し、4商品目となる「ポキステーション」が日本文具大賞優秀賞を受賞。2007年2008年2013年マッチングナビゲーターオルファダイカスト加工業者▲日本文具大賞優秀賞を受賞した「ポキステーション」。レバー式で簡単に刃を折ることができる、さらに本体内で刃が折れるので周りに飛ぶ心配もなく安全。ナビゲーターを通じて継続的な取引にビジネスチャンス倍増プロジェクト検索大阪発!中小企業のためのリージョナルビジネスマガジン10Bplatzpressvol.151