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独自の技術・戦略を持つオンリーワン企業を紹介!大阪産業創造館ビジネスチャンス倍増プロジェクト事務局TEL06-6264-9898詳細はこちら?http://www.sansokan.jp/mono/bcbp/vol.115大手企業の技術者として経験を積んだマッチングナビゲーターが、独自技術を持つ企業を訪問し、技術的な課題や販路開拓に関する悩みの解決を助ける『ビジネスチャンス倍増プロジェクト』。このプロジェクトで出会ったオンリーワン企業を紹介!?新素材が次々と開発され、高度な加工技術が求められる日本の産業界。タイユは、そんなものづくりの世界を60年にわたって支え続けている金属加工油剤の専門メーカーである。主力となっているのはメンテナンスフリーの水溶性切削液。1977年、業界に先駆けて無公害・長寿命の切削液「ハイチップ」ブランドを発売し、生産が追いつかないほどのヒット商品に。現在もシリーズ化され、同社のベストセラーとなっている。基本姿勢はR&D。ハイレベルな加工現場に対応できる開発力は、きめ細かいコンサルティングセールスに基づいている。研究室や開発室ではユーザーからの要望に応える製品を提供するため、30項目もの試験を繰り返す。「サンプル品を何度も提出します。また、開発現場と実際の工場とでは条件が微妙に違ってくることもあるので、加工精度を上げるためには全国どこへでも飛んでいきますよ」と四元氏。毎日1件は新しい案件が舞い込んでいることからも、その実力がうかがえる。多品種少量生産に対応する効率的なラインを整備し、コストダウンを図っている点も強みのひとつだ。同社の事業領域は金属加工油だけにとどまらず、油剤の関連機器やシステムにまで及び、その分野でもユニークな新製品に取り組んでいる。水溶性と油性、両方の切削液をひとつの機器で賄える加工システムの開発だ。ユーザーの既存の機械にオプションで取り付けることができるため、低価格でのシステムアップが可能。これが成功すれば世界中の製造現場がマーケットとなる。「植物性や非化石燃料などの脱石油製品や、廃棄物ゼロへの取り組みなど新たなテーマがまだまだ控えています。人にも機械にも環境にも優しい製品を、今後も開発し続けますよ」。「日本にしかできない付加価値の高いものづくりを支えていきたいんです。難しい製品にチャレンジする会社は必ず生き残りますよ」。会社DATA設立/1952年資本金/2,000万円従業員数/40名http://www.taiyu-chem.co.jp/タイユ株式会社代表取締役四元大計視氏?加工現場に欠かせない切削油材を取り揃え、さらにユーザーに合わせてカスタマイズした商品を提供。無公害切削液「ハイチップ」シリーズは売上げの70%を占める主力商品。▲地球上の様々なモノが詰め込まれているという意味の同社のキャラクター「緑のおっさん」。▲地球をイメージした第1号商品。今なお注文が途絶えないロングセラー。それぞれの製造現場に合わせた切削液R&Dの姿勢で徹底対応イーズゥー株式会社代表取締役中田昌樹氏http://e-zoo.biz/会社DATA設立/2004年資本金/300万円従業員数/3名事業内容/帽子の製造・卸。「e-zoo」「chikyu」の2ブランドを展開。展示会と受注会で全国の百貨店、セレクトショップに順調に販路を広げている。「魂は売りたくない」。希少性がウリの帽子ブランド2013春夏シーズンのテーマは「地球旅行」。デニム地に飛行機の車輪がデザインされた帽子や、ヒレと羽根とタイヤをつけ陸海空どこでも走れるキャラクターがアクセントをきかせた帽子が並ぶ。つばを裏返すとキャラクターが出てきたり、ボタンに書かれた文字にも意味が込められていたりと遊び心が満載。「あっと驚かせたい」というのが中田氏の創作の原動力だ。ものづくりが好きで就職活動中に「地球」をイメージした帽子をつくったことがきっかけでこの道に進んだ。帽子メーカーに3年半勤めて技術を習得し、2004年に帽子メーカーが集積する緑橋で創業した。当初は飛び込み営業もかけたが「置いてもらっている、置いてあげているという関係性では取引が続かない」。そこで展示会で引き合いのあった卸、セレクトショップとの取引を大切にし全国に顧客を広げていった。ファンからの高い支持の理由の一つは裏地にもこだわった生地使い。「大阪の生地屋はほぼ網羅した」というほど生産のためのネットワークは足で開拓した。購入しやすい価格帯の「eイーズゥー-zoo」に加え、2008年からは中田氏が使いたい生地、技法を使って自由に表現する「cチキュウhikyu」ブランドも立ち上げ、帽子以外にストール、かばんなども展開する。春夏、秋冬シーズンそれぞれ70アイテムこれが我が社の戦略を製作するが、手作りのため1アイテムあたり10?100の限られた数量しか生産しない希少性がファンの渇望感を生む。アパレルメーカーからOEMの話も舞い込んでくるが「魂は売りたくない」と断り続ける。すべての帽子にストーリーが込められているだけに、「生み出した商品すべてを並べた直営店を出す」ことが今の目標だ。希少性を生み出す★10Bplatzpressvol.147