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ルーカードと呼ばれる患者情報シートに記入し、連携先として登録する病院にFAXする。そのブルーカードを受け取った病院は医師会にFAXを流し、医師会がネット上の情報共有システムにデータをアップする。ネット上のブルーカードは開業医、連携病院の医師がiPadやPCサイトで閲覧できる。院長がこだわったのは、「地域の診療所すべてが参加すること」。IT利用率が極端に低い開業医の使い勝手を考慮し、「患者情報の登録はあくまで紙ベース、FAX送受信を基本にした」という。ブルーカードの登録患者は現在464件で、救急搬送などに活用されたケースは270件にものぼる。搬送時間は24.1分(2012年度)と8分短縮し、「受け入れ拒否もほぼ起こっていない」。ブルーカードの登録患者の場合、事前に医療情報が確認できるため、救急時でも受け入れやすいのだ。たとえ受け入れが困難でも、他の登録病院と連携を図り、対応がスムーズに運ぶ。こうした医療情報の共有化で最大の懸念はセキュリティだ。同システムの場合、大阪のシステム会社・フィードテイラーが開発したクラウドサービス「Sシンクネルyncnel」を利用することで、セキュリティ問題の解決につなげている。現在、他の医師会にも働きかけ、南医師会と天王寺医師会の参加が決まった。「将来的には大阪全体にブルーカードの輪を広げ、大阪を世界で最も医療で安心できるまちにしたいですね」。となった。えびす診療所の久保田院長が三島救命センターでとったデータによると、「救急搬送時間を20分以下に短縮すると救命率が約14%アップする」という。こうした状況に危機感を抱き、立ち上がったのが浪速区医師会だ。地域の病院と診療所が連携する「病診連携」の実現をめざし、「ブルーカードシステム」と呼ばれる患者情報の共有システムを確立したのだ。まず病診連携を進める場づくりとして、久保田院長などが中心となり、2009年5月に「浪速区医師会病診連携委員会」を発足。医師会メンバーと近隣の病院が定期的に会合を重ねた結果、救急搬送の時間を縮めるのが最優先と判断し、ブルーカードシステムを考案した。しくみはこうだ。地域の診療所がブ急搬送の受け入れ拒否が問題となるなど、日本の医療における救急医療体制の悪化が懸念されている。大阪府では救急告示病院がこの10年で約40施設減少し、救急搬送の所要時間は毎年増え続けて2010年度は30.2分(全国平均は37.4分)救えびす診療所http://homepage1.nifty.com/studio-yk/院長久保田泰弘氏浪速区住民在宅患者医師会かかりつけ医地域連携病院地域連携室ブルーカード交付データアップ(6カ月に一度更新)情報登録・医療連携●ブルーカードシステム情報共有システム(Sシンクネルyncnel)診療所と指定病院との間で登録患者のさまざまな最新情報がiPadやPCを通して共有できる▲このシステムが緊急時に絶大な効果を発揮する。Bplatzpressvol.14603