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独自の技術・戦略を持つオンリーワン企業を紹介!大阪産業創造館ビジネスチャンス倍増プロジェクト事務局TEL06-6264-9898詳細はこちら?http://www.sansokan.jp/mono/bcbp/大阪の元気企業が実践している、社内を活性化させる方法とは?大チャレンジ賞縁の下の力持ち賞大失敗賞vol.113大手企業の技術者として経験を積んだマッチングナビゲーターが、独自技術を持つ企業を訪問し、技術的な課題や販路開拓に関する悩みの解決を助ける『ビジネスチャンス倍増プロジェクト』。このプロジェクトで出会ったオンリーワン企業を紹介!?1921年、わが国で初めて食品エッセンスの工業化生産を成功させたのが塩野香料。当時、香料と言えば化粧品などに使われる“フレグランス”が中心だったが、開発にかける熱意とたゆまぬ研究心によって、ついに“フレーバー”を完成させた。レモンの香りがするフレーバーは、ラムネやサイダーなどの清涼飲料に使われ一気に広まった。その後、現在に至るまで、日本の食品香料の発展は同社の長い歩みと共にあるといっても過言ではない。食品に香りだけでなく味までも付加する“呈ていみ味香料”にもいち早く参入し、インスタント食品や冷凍食品などさまざまなジャンルの加工品に採用されている。一方、フレグランスの分野でも研究を進め、化粧品会社との共同研究でキク科の植物から肌の老化抑制効果が期待できる香りを開発。また、クレオパトラが愛したと言われる香り“キフィ”を当時の文献を読み解いて成分を抽出するなど、業界への高い貢献度を誇る。「得意先に合わせ、商品開発の段階から香料の提案をしています。オンリーワン商品のお手伝いをするのが、私たちの役割」と塩野氏。要望に沿ったオリジナル製品はもちろん、コストダウンの声に応える汎用性の高い香料も生産している。こうした高度な技術力を応用し、現在ファインケミカル分野にも注力。医薬品の原薬を製造する子会社『塩野フィネス』を設立し、GMP適合製品を厳しい品質管理体制のもとで生産する。米国FDA当局より医薬品原薬製造施設として「適合」であるとの判定を受けたことをはじめとし、ヨーロッパや韓国にも市場を拡大している。優れた研究者たちの努力と先見性のある開発力。バランスの良い両輪を持つ塩野香料のさらなる成長に期待したい。「市場のトレンドを探り、商品開発の段階から最先端の香りを提案します。企画・プレゼン力でも評価をいただいています」会社DATA設立/1929年資本金/3億100万円従業員数/215名http://www.shiono-koryo.co.jp/塩野香料株式会社代表取締役社長塩野秀作氏?プレゼンの際にはサンプル品を持参。わずか1オンスの小瓶には研究者の分析力や技術力が詰まっている。国内香料の歴史を育む業界の先駆者ファインケミカル分野にも進出「大失敗賞」という“名誉”ある賞を設けている会社がある。機械部品製造業の太陽パーツだ。これは半期に一度実施する表彰制度の賞の一つで、文字通り仕事で大失敗をやらかした社員に副賞2万円と共に贈られる。単に失敗したらもらえるわけではなく、その失敗を活かして組織にノウハウを残したかどうかが受賞基準だ。この賞の背景には、創業社長である城岡氏の前職時代の経験がある。営業だった城岡氏は新規顧客の開拓に積極果敢にチャレンジしていた。ところが評価されるのはルート営業で無難に安定した実績を残す社員。「守りに入った社員が評価される会社が成長するはずがない」。そう考えた城岡氏は起業後「失敗を恐れずチャレンジし、かつその頑張りが評価される組織をつくろう」と決意したのだ。大失敗賞の受賞者第一号は当時30代半ばだった社員が新規事業を立ち上げ、5千万円という会社の通年利益を吹き飛ばすほどの大損害を出す。「しかしチャレンジする人材を手放すわけにはいかない」と考え大失敗賞を創設し、あえて全社員の前で授賞式を開いて「これでチャラや。次は頑張れ」と笑い飛ばしたという。その社員はその経験を活かし、中国工場の立ち上げ時には現地法人トップとして見事成果を収め、現在は役員として経営の中枢を担う存在となっている。「ピンチはチャンスの芽」と社員を鼓舞し、昨年には挑戦意欲をさらにかき立てるために「大チャレンジ賞」も創設。加えて「縁の下の力持ち賞」も設けた。「社員あっての会社。組織全体を底上げし、会社をもっと活気づけたい」と意欲的だ。大失敗すると金一封!「チャレンジ」が評価される組織づくり太陽パーツ株式会社代表取締役城岡陽志氏http://www.taiyoparts.co.jp/設立/1983年資本金/3,000万円従業員数/130名(グループ会社含め350名)事業内容/メーカー機能と商社機能を融合させ、あらゆる機械部品の開発・設計・試作・製造を行う。システムキッチンパーツを自社開発し、特許を持つ昇降戸棚の機構は6〜7割のシェアを誇る。今後は中国など海外市場の開拓をめざす。▲社長自身も過去に大失敗賞を受賞している。?大失敗賞の受賞者第一号である篠川さん(左)。授賞式では社長が手渡しで賞状を渡し、社員たちを鼓舞している。vol.01510Bplatzpressvol.145