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独自の技術・戦略を持つオンリーワン企業を紹介!大阪産業創造館ビジネスチャンス倍増プロジェクト事務局TEL06-6264-9898詳細はこちら?http://www.sansokan.jp/mono/bcbp/新商品開発編業界を進化させる新トピックスを紹介「工場での加工法を見れば、なぜコスト力があるのかわかっていただけます。興味を持ってくださった業界の方に、ぜひご覧になっていただきたいですね」。会社DATA設立/1990年資本金/1,000万円従業員数/18名http://www.kanaikeigoukin.jp/vol.110大手企業の技術者として経験を積んだマッチングナビゲーターが、独自技術を持つ企業を訪問し、技術的な課題や販路開拓に関する悩みの解決を助ける『ビジネスチャンス倍増プロジェクト』。このプロジェクトで出会ったオンリーワン企業を紹介!?造型ラインの一角で砂型用の型交換を行う若い従業員。その間、約2分。連続鋳造ラインの1タクトは30秒と速く、次から次へと流れる製品の行列に驚かされる。金井軽合金は、砂型鋳造、グラビティ鋳造を軸に事業を展開し、自動車関連や電気関連、産業用機械、食品機械、油圧関連など、多彩な分野のアルミ合金を製作している。かつて砂型鋳造は生産力の面で金型に遅れを取っていたが、設備メーカーの機器開発に積極的に協力することで効率の向上に取り組んできた。転機となったのは2008年の工場移転。音や振動、粉塵などで近隣住環境への悪影響が懸念されたり、求職者に敬遠されていた従来の工場とは一変し、最新式機械が並ぶきれいな工場へと様変わりした。「設備を一新して鋳造ノウハウを機械に移植。自動化により、公差0.5という安定した精度で製作できるようになりました」。このような設備を効率的に使えるのも、技術力と経験値があるからだ。作業工程内の最短距離で移動できるよう、機械の配置や設計がなされている。砂型を作るには温度や湿度の管理が不可欠だが、「調整もスムーズ」と話す。また、高品質を保つため、一品の製作を複数の人間で分担。出荷までに5〜6人の目を通し、チェックする。クレーム発生時は作業を中断して全員で原因を探し、次回の発生防止に努めている。これで不良率3%という非常に高い水準の社内目標を掲げることができ、その技術力を認められ、大手メーカーからの引き合いも多い。「若い世代がものづくりにやりがいを感じられる環境を整えることが大切。リーダーが作業工程を考え、指示を出せる体制にしています」と、日本の基幹産業を背負う担い手の育成にも力を注いでいる。金井軽合金株式会社代表取締役金井尚司氏?産業機械部品及びロボット溶接機等の機械部品。羽根の厚み5mmといった薄い複雑形状の部品も砂型で鋳造できる。砂型鋳造の1タクトは30秒連続鋳造でアルミ合金製作を効率化▲購入者から寄せられたアンケートの回答が、商品改良のヒントになっている。着物の裏地製造卸で180余年の歴史を持つ。糸にこだわり、丁寧な織り、染めでできあがる松与の生地は「一切値引きをしない」高級品。「自信を持って商品を作ってきた」と6代目の松浦社長。ただ、製造卸は消費者からの声は聞こえてこないことや、昨今の着物需要の低迷もあり、消費者に直接、絹素材の良さを伝える商売がしたいと考えるようになった。「絹を扱う職人の手は白くてすべすべしている」という同氏は、絹に含まれる「セリシン」という保湿物質に着目。石鹸の製造に乗り出すことにした。消費者モニターに試作品を何度も送り、寄せられる声をもとに改良を重ね、セリシンをはじめ乳清、スクワランなどの保湿成分を「通常の石鹸の8倍」使うことに。また、着物の染めにも使われる泥と炭を配合。本来の皮膚の力を引き出して潤わせることにこだわった。裏地製造で培った技術や素材知識だけでなく、「長く愛して使っていただけるものを」という心も守り、着想から3年かかって「VヴィータITA洗顔石鹸」が完成した。販売のほとんどは自社のインターネット通販だが、リピーター率は80%を超える。発売から10年以上が経過し、総売上の半分を占めるまでに育った。そんな今も、購入者一人ひとりに対し、商品と共に手書きの手紙を添えることは欠かさない。「購入者の3割から返ってくる」というアンケートに書かれた声を生かし、今なお1年に1度は商品をリニューアルし続ける。今後も「顧客と対話をしながら愛される商品を作り続けていきたい」と話す。創業180余年、着物裏地製造の技術と知識から生まれたこだわり石?松与株式会社代表取締役社長松浦正晃氏http://www.matsuyo.co.jp会社DATA資本金/1,000万円従業員数/3名事業内容/綿、絹素材の和装裏地製造卸、石鹸、ジェル、オイルなどの基礎化粧品製造卸のほかシルク関連製品の販売。?「古いものを生かし新しいものを作っていきたい」と、社員同士の対話から新商品のアイデアを生みだしている。?絹の原料となる繭から保湿物質「セリシン」を抽出。これをもとにVヴィータITA洗顔石鹸が作られた。10Bplatzpressvol.141