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地域食材水なすでブランド確立老舗漬物屋の新しい販路はワインショップ会社DATA設立/1964年資本金/1,000万円従業員数/30名事業内容/漬物の卸業として設立し、現在は大阪に漬物専門店「旬しゅんか茄」を4店舗展開する。泉州名物の水なすをはじめ旬の素材を扱うほか、大阪独自の「なにわの伝統野菜」(田辺だいこん・天王寺かぶら・毛馬きゅうり)の販売も行う。株式会社谷野(旬しゅんか茄)専務取締役谷野一朗氏http://www.syunka.com/TEL06-6756-3060物専門店「ゅんか茄」を4店舗展開する谷野は、泉州地域で江戸時代から栽培されている地域食材「水なす」を中心に扱う。「泉州の水なすは果皮がやわらかく、絞ると水がしたたり落ちるほど水分を含んで美味しい」と語るのは谷野専務。生産農家が500軒以上あるなか、独自の基準で高品質の水なすを厳選して仕入れ、自社工場で漬け上げて全国に届けている。この10年で食の安全・安心に対する関心が高まり、地方食材や産直を志向する傾向が続いている。これを背景に食を通じた地域活性化の機運が盛り上がり、2006年には地域ブランドの商標化が認められるなど官民を挙げた取り組みも進む。水なすという地域商材を持つ谷野は、国産回帰の動きが広がるなか、すでに存在感を発揮しているといえるだろう。地域商材としての水なすのブランド力は確立しているが、季節商品のために産地直送で発送するしかなく、販路を全国に広げるのが課題だった。「そこで全国展開をめざし、若い人にも漬物を召し上がっていただけるよう国産素材でピクルスを開発したんです」。最大の特長は乳酸菌で自然発酵させる点。自社工場で最適な発酵環境を整え、商品化まで8ヶ月の期間を要した。なぜ手間のかかる自然発酵を選んだのか。「それは他社商品との差別化のため」。ピクルスは酢に漬けるだけで簡単に仕上がる反面、酸味が強く出る。手間はかかるが自然発酵にすれば、ほんのりとまろやかな酸味に仕上がるのだ。1年半前に商品化した後、まず従来の漬物コーナーに展開したが、「若い人の視線に入らずまったく売れなかった」。そこで「パンとワインにあうぴくるす」という商品名を付け、戦略的に売場を変更。さらに一から販路開拓を行い、ベーカリーショップやチーズ専門店、ワインショップの食材コーナーなどに広げた結果、取扱店が全国に70店舗まで増えた。「漬物の老舗が自然発酵でつくったピクルス」というのが珍しく、ワインバーなどでも重宝がられているという。「今後は商品点数を増やして、さらなる拡販をめざす」と意気込む。漬▲▼収穫した水なすは、職人がひとつひとつ手作業で丁寧に塩もみをしてから漬け上げている。写真は職人の手もみの様子。こうして水なすにかすかな傷をつけることで、ぬかの旨みが引き込まれ、美味しい水なすに仕上がる。▲国産素材と自然発酵にこだわり、無添加でほんのりとまろやかな酸味に仕上げている。商品アイテムは「野菜MIX(7種)」「きゅうり」「大根・人参」「ぴくるす詰め合わせ」。地域ブランド大阪厚生信用金庫厳選!〜大阪発・大阪が目利きした食ビジネスマッチング展2012〜日時9月20日(木)11:00〜16:00※入退場自由・要予約費用無料場所大阪産業創造館3Fマーケットプラザ大阪厚生信用金庫と関係の深い「食」の企業が多数出展する商談会。付加価値の高い新たな食材を探す卸・メーカー・企画会社など食品業界の企業や飲食店は必見。イベントNo.13966【食ビジネスセミナー】おいしくて体にいい食ビジネスの新商流?健康・医療食編?日時10月1日(月)13:30?16:30費用1,000円場所大阪産業創造館4FイベントホールイベントNo.14139「食」と「健康」、「医療」、「抗疲労」の掛け算による新たな商品や異業種との連携による販売チャネル、マーケット開発のヒントを探ると共に、コラボレーションのポイントについて、事例を交えてディスカッションし、食ビジネスの新たな商流について検討する。Bplatzpressvol.14005