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≪講演録≫OSAKA創業フェア2017 基調講演① 串カツ田中

世田谷1号店オープンから7年で東証マザーズ上場

世田谷って聞こえはいいですけど、ただの住宅街です。居抜き物件を大工さんと2人で改修しました。厨房機器やレジなどはヤフーオークションで買い集め、約300万円で店をつくったんです。14坪24席で、売上げは400万円を目標にしました。

勝負をかけた串カツ屋に本当に奇跡が起きて、開店3ヵ月後に800万円を売上げます。それから1年間、死に物狂いで働いて借金を返済。一方で、半年に一軒のペースで新店をオープンさせました。東京と大阪のデザイナーズレストランを売却したので、売却損という損金が落ち、「串カツ田中」で残ったキャッシュは、そのまま残すことができた。とはいえ、まだ負債も多かったので資金調達にすごく苦労し、結局、金利の高いノンバンクに借りて新店をオープンし続けました。

スピード展開の理由は、模倣店が増えてきたから。東京では食べ慣れていない串カツは「胸焼けするよね」とか「そんなに食べられないよね」となってしまうと、串カツの未来も「串カツ田中」の未来も危うい。だから、まずは「串カツ田中」の味を食べていただきたいと考えました。フェイスブックの募集だけでフランチャイズは一気に加速。2013年に外食アワードという賞をいただいて、50店舗。そこから関西や中部地方にも店舗展開し、株式上場を見据えて、「串カツ田中」に社名を変更してから100店舗達成。1号店オープンから7年後の2016年、東証マザーズ上場を果たしました。

串カツで一人でも多くの笑顔を生み、社会貢献する

串カツ田中の理念は、「串カツ田中の串カツで、一人でも多くの笑顔を生むことにより、社会貢献する」。企業理念をしっかりつくって、従業員の笑顔をつくったら、ES(従業員満足)がCS(顧客満足)につながるという考えです。

それまでは、「お金を稼ぎたい」という欲求が自分の事業力を支えていました。これからは、「串カツ田中」で働きたいと思ってもらうために、従業員にどんな貢献ができるかと考えた。1号店から週休2日制を実施し、翌年から慰安旅行は海外。6年後には600人の大運動会を行うなど、いろんなことをやるなかで成長できたと思います。

「串カツ田中」の強みである商品レシピは社外秘ですが、全従業員が商品に誇りをもっている。接客も我々の強み。常にブラッシュアップするため、半年に一回は評価制度を見直します。総会での表彰制度などで従業員にやる気を出してもらい、やりがいをもってもらう。出世することで、自己実現をさせてあげることも大変重要なことです。

串カツを日本を代表する食文化にすることが目標

長期目標は、1,000店舗を達成して、串カツを日本を代表する食文化にすること。そして、従業員の満足度を高めていくことです。そのために、店舗運営の標準化、数値化を進めています。これが正しいというのではなく、明確にしたビジョンや理念に適したことを行うということです。いまや、動画で理念もマニュアルも見ることができる時代。例えば、新しい従業員には、「うちの会社の元気な挨拶とはこれですよ」とiPadで見せることもできます。

世田谷の住宅街でオープンした1号店が、渋谷のど真ん中でも達成できない驚異的な売上げをつくった。なぜかと分析したら、目標の売上げに、子ども連れファミリーの利用が2、3割積み上がったお陰だったんです。そんな住宅街は日本にいくらでもある。現在の138店舗を1,000店舗まで増やすのは、マーケット調査から可能だという結果も出ています。

私は、ラーメン店一風堂の創業者・河原さんの「変わらないと思われるために変わり続けることが大事だ」という言葉が大好きなんです。河原さんは、自分が飽きたら味を変えていくそうです。これって大事なことですよね。うちの串カツも、変わり続けてブラッシュアップしていくことが長期戦略の一つだと考えています。

(取材・文/花谷知子)

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2017年04月03日
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