Bplatz press

200年続く老舗おこしメーカー7代目がめざすのは老舗×ベンチャーのハイブリッド型企業。

2015.12.03

―実際、入社してどうでしたか?

私がやらなければ、と気負って入社したものの、会社は私が居なくても回っています。何をしたらいいかわからず、戸惑いました。あるとき、当社の歴史を調べてみると、創業当時から「おこし」だけを作っていたわけではなく、最初は色々なお菓子を扱うお店だったことが分かりました。

2代目で好調だったおこしの専業になり、3、4代目で近代工場を建てて機械化し、5、6代目は販路を全国に広げたり、おこしを固める際に使用する水飴をチョコレートに変えてみたり、時代時代で新しいことに挑戦してきたことを知りました。これは当社に限ったことではなく、他の老舗についても調べていくと、永く続いている企業はどこも「変化し続けている」ことに気付いたんです。正に「温故知新」です。

あみだ池大黒・小林専務メーン候補3

―老舗ゆえ、の苦労もあったのでは?

新しいことと言っても過激なことはできません。変化を嫌う50歳以上の社員に対しては「新しいことをやって」とは言いませんでした。その代わり「今持っているものを若い社員に伝えてください」とお願いしました。

私は弱いところを補強することより、強いところにどうフォーカスしていくかをメインに考えました。父、祖父は、おこしを売っている百貨店事業を浮上させたいと考えていたようですが、当初、私が力を入れたのは、チョコレートやクッキーなどを売っていたテーマパーク事業でした。

おこしの場合、商品を見直すと言っても、これまでは10年、20年に1度くらいの頻度でよかったのですが、テーマパークでは、シーズン毎に何度も新商品の提案を求められます。テーマパークで積み上げた経験やノウハウを、主要な販路である駅や空港、百貨店事業にも広げていこうと考えました。

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株式会社あみだ池大黒

専務取締役

小林 昌平氏

http://www.daikoku.ne.jp

事業内容/1805年創業の老舗。おこしを中心に「大阪みやげ」を展開。百貨店のほか、駅、空港、テーマパークなどで販売。