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【ロングインタビュー】社内に密室をつくらない オープンな社風で、社員に責任ある自由を

2015.05.08

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―社長になられて新しく取り組んでいることはありますか?

今年60のプロジェクトを動かしています。成長の方向性に沿ってテーマごとに落とし込んでいった結果その数になりました。やることとめざすべき到達点を決め、それぞれのリーダーは部署を超えて自由にメンバーを指名できるようにしています。それによって有機的な組織になることを期待しています。

例えばテーマのひとつに「試作チケット制の運用」というのがあります。これまで営業担当者は、研究部門に対して自由に試作依頼をかけていました。いくら依頼をしてもお金は発生しないし、研究員も言われたらやらなければ仕方ない、という雰囲気でした。でも、試作できる力は限られた資産です。それをどう分配するかを考えるようにしたのです。そこで研究員の労力をチケット化して営業部に渡し、有限なチケットを使ってどの商品の試作のためにチケットを使うかを考えさせるようにしました。これによって商品開発の成否が見えるようになります。

―これから組織をどうしていくのでしょうか?

社長になって社員に約束したことが2つあります。一つは「社員の生活の基盤をきっちり守ること」。それぞれの社員には家族があり、ローンを抱え、子どもたちに学校も行かせています。それだけ経営の責任は重大です。会社がつぶれるときはあっという間。会社が大きくなればなるほど、細かな悪い芽は小さいうちに摘んでおかなければいけません。そしてもう一つは「いつの時代に入社した社員にもエキサイティングな会社でありつづけること」です。「この会社に入って、苦労が多かったけれども楽しかった」と誰もがそう言える会社にしたいと思っています。計画策定時も日ごろの業務においても常にこの2つのことしか考えていません。今後は更なる成長に向け、化粧品のほかに医薬品、化成品に力を入れていきます。シニアのマーケットも狙い、中国の内需マーケットの開拓も進めていきます。

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(取材・文/山口裕史 写真/福永浩二)

株式会社コスモビューティー

代表取締役社長

山添 隆氏

http://www.cosmobeauty.co.jp/

事業内容/化粧品、洗剤、消臭剤、医薬品などのOEM製造。ベトナム工場のほか今期は中国工場も稼動し、中国市場向けも強化する。