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【WINGED WHEELロングインタビュー】「ハリケーンランプは私が守る!」国内唯一のランプ職人

―販売のほうは。

この仕事に就いたときに、今までの売り方ではあかんと思いました。

うちではハリケーンランプのほかにオイルランプをつくっています。オイルランプは、ローソクを溶かしたオイルを燃料にしていて、油煙は出ないし、臭いは少ないし、かつ安全です。これは母がローソク会社の人と一緒になって10年がかりで開発した商品なのですが、下請けでつくっていたので利益がなかなか出ないんです。

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そこでわたしはネットを使って直販しようと考えました。ハリケーンランプよりもむしろデザイン性の高いオイルランプに力を入れて売っていこうとしています。オイルランプは高級ホテルやレストランで使われているのですが、これまで誰も進出できなかったのが一般家庭のマーケット。私はそこにどうにか食い込んでいこうとしています。家庭に取り入れやすいデザインを、と色やガラスのビンのデザインも私が考えています。

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ただ、ハリケーンランプもメディアで取り上げていただけるので注文がコンスタントに入ってきます。実は3年待っていただいているところもあって、現在もオンラインショップでは50人待ちの状態です。ハリケーンランプももちろん大切につくっていきます。

―今はお母さんと二人で会社を守っているのですね。

一昨年に母から経営を引き継ぎました。母は自分にも他人にも厳しく、私が小さい頃から一切子ども扱いすることはありませんでした。1回も私に継げとは言いませんでしたしね。

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今も母は私にとって大きな存在です。親子という関係ではなくて、戦友という感じ。母のことは人間的には尊敬していますが、経営のこととなると別。古いものを守りながらも、新しいことをしないと、会社は続かないと思っています。

―これから力を入れていこうとしていることは。

忙しくなるにつれ、一人ではやっていかれへんことを痛感しています。若い職人さんを育てていかなければならないと考えていて、今人材の募集をかけているところです。

私と母がいなくなったら誰もつくれなくなってしまうので、技術も継承していかなければいけません。

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そのために母と一緒に、製造工程ごとにだれがみてもそのままつくれるように記録を残す作業をしています。パーツごとに、材料や金型の特長、加工のコツなどをファイルにしてまとめています。

道具をうまく使えば女性でもできる仕事だと思うので、女性にもどんどん入ってきてほしいですね。そのために工場の中ももっとはたらきやすい環境を整えていかなければいけないと考えています。

―別所さんにとってランプの魅力は。

祖父が「火の周りに集まったら男女にロマンスが生まれる。火を囲めばいい家族になれる」ということをよく言っていました。

昔は何を言うてんねんと思っていたのですが、最近になってその言葉の意味がよくわかるようになってきました。仕事で疲れて帰ってからランプに火をつけるとジーっと見入ってしまい、いつの間にか時間が経っています。

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それだけ火には人をひきつける力があります。小さいころからランプに囲まれる生活をしていたので当たり前だったのですが、やっとそれがわかるようになってきました。今はその魅力をたくさんの人に伝えていきたいと思っています。

いつかアンテナショップをつくりたいんです。テーブルを囲んで直にランプの火に接してもらい、火には言葉にできない魅力があるいうことを伝えていきたいです。

 
誌面で紹介した記事はコチラ
→ 90年の灯守る国内唯一のランプ職人

(取材・文/山口裕史)

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2015年03月06日
株式会社WINGED WHEEL
代表取締役  
別所 由加 氏

大正13年に曽祖父が創業。現在製造するのはハリケーンランプとオイルランプの2つ。別所氏が一人で製造を担う

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