ものづくり

《講演録》キーエンスに学ぶ “高収益体質” 経営のメソッド [1]

2019.06.14


 
次に「構造」についてご説明します。「構造が挙動を創る」。例えば、ドアを開ける時の人の動作について考えてみましょう。

ドアノブの形(構造)がレバーハンドル型であれば、レバーを握って下に降ろして開けます。ドアノブの形(構造)が丸型であれば、握って時計周りに回して開けます。何が言いたいかというと、“人は、物理空間上にある構造があると、その構造に影響されて挙動する”ということです。

この時、私たちは、構造(ドアノブ)を動かしているのか?構造(ドアノブ)に動かされているのか?私は後者の要素が強いと思います。なぜなら、そこにドアがなければ、その挙動は生まれないから。

私たちは、行動することで、成果を創り出します。その行動が、構造から生まれるのであれば、“構造が成果を創る”とも言えるのです。

キーエンスでは2年目で年収が1,000万円前後になりますが、私自身、2年目の時には、その金額に見合うだけの“スキルや能力”があったか?と言われれば、“なかった”と思います。

しかし、キーエンスがそれだけの賃金を払えている源泉は、キーエンスの持つ成果を生み出す構造にあると考えています。

 
1年間の構造、1ヶ月間の構造、営業プロセスの構造、営業1面談あたりの構造、営業前後の構造など、言いだすとキリのないくらいさまざまな構造が整備されています。

例えば、1日に2回PDCAを回している1日の構造です。午前の1日の計画、計画の実行の後に昼一番の中礼で午前の活動を踏まえて午後からの目標を改めて設定します。この時点でお客様への電話が進んでない場合は、マネージャーから営業所にチェックが入ることもあります。

18時過ぎには本日のランキングが自動的に発表されるため、営業は現状分析結果を自動的に見ることになり、自然と成果をあげる構造が作られています。

 
>>>《講演録》キーエンスに学ぶ “高収益体質” 経営のメソッド [2]に続く

 
(文/ 松尾優子)

 
田尻 望氏(株式会社カクシン 代表取締役、一般社団法人Key to Innovation 理事)
京都府生まれ。大阪大学基礎工学部情報科学科卒業。大学卒業後、株式会社キーエンスにて、国内・国外の販売促進担当として活躍。同社を退社・独立後、始めた事業を自らの甘さから1年で撤退。その後、研修会社を立ち上げ、4年でクライアント50社以上に貢献。現在は年商30億円以上の企業に対して、長期的な成長経営を続けてゆくための人財育成構造の提供、戦略コンサルティングを行っている。類まれなるスキルと分析力、提案力により、多くの会社の利益化および人材定着に貢献している。

株式会社カクシン

代表取締役

田尻 望氏

https://www.srv-lab.co.jp