敏感肌にやさしい「青森ヒバ」使用の無添加石けん

北国の厳しい気候に耐えながら、長い年月をかけてゆっくり成長する「青森ヒバ」。その樹木からわずかに採取できる「ヒバオイル」には抗菌・消臭・防虫効果があり、ヒノキのような香りは気持ちを和ませてくれる。

フランスから精油を仕入れ、ダメージを受けた爪をケアするネイルオイルを自分用につくっていた紙野氏は、ある日、偶然に青森ヒバと出会う。

青森ヒバの香りを嗅いだ瞬間に感じたのは、いままでの香りでは得られなかった「これだ!」という確信。そして、「青森ヒバの魅力を活かして、私にできることはないだろうか」と思いを巡らせた。

紙野氏がたどり着いたのは、石けん。それは、熟練の職人が化学合成添加物を一切使わずに、昔ながらの釜炊き枠練り製法でつくったもの。ヒバオイルは、アトピー性皮膚炎の主な原因の一つといわれている黄色ブドウ球菌に対し殺菌作用があることが証明されている。

自身もアトピー性皮膚炎で、話す相手が心配してしまうほど症状が顔に出ることがあり悩んでいた。「まずは、自分で効果が実感できる石けんをつくろう」。

そこで、日本に数名しかいない石けん職人を訪ねて直談判。幸運にも、青森ヒバの効能を知る職人に出会って、試作してもらえることに。

素材選びなど試行錯誤のうえ完成した無添加石けんは、汚れをしっかり落としながらも、敏感肌をもちもちとした肌にする自信作となり、紙野氏はCaminoz(カミノズ)を立ち上げる。商品企画、デザイン、発送、販売などすべてを自分で行った。

無添加石けんはネット販売だけでなく、調剤薬局や百貨店でも販売。「刺激がないうえ、かゆみも軽減する」と、アトピー性皮膚炎や敏感肌で悩んでいる人に好評だ。

大手企業からも取引依頼があったが、個人事業主では難しいと言われた。そこですぐに法人化するも、やはり一人体制では無理との返事。

現在は、化粧品・化学薬品の製造販売会社と提携し、ともに商品開発に取り組むなど協力体制を整えた。さまざまな壁にぶつかりながらも常に心にあったのは、「自分のように肌のトラブルで悩む人に一人でも多くこの無添加石けんを届けたい」という想い。

台湾での1年間の展示販売も実現した今、「日本の職人技が生み出す製品として世界へ発信する」という目標に向かって前進している。

代表取締役社長・デザイナー 紙野雅美氏

(取材・文/花谷知子)

2018年12月25日
株式会社Caminoz
代表取締役社長・デザイナー  
紙野 雅美氏
事業内容/香りを使い、シンプルな生活にこだわった商品開発

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ゲンバ男子

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